この記事の要点まとめ
病院で死亡診断書が得られない場合、監察医の解剖記録からB型肝炎起因の肝硬変・がんを立証。
死亡診断書がない場合のB型肝炎訴訟
B型肝炎の給付金(死亡・肝がん等で最大3,600万円)をご遺族が請求する際、最も重要な証拠の一つとなるのが「死亡診断書」です。死亡診断書によって、死因がB型肝炎に起因する肝疾患(肝がんや肝硬変など)であることを証明するからです。
しかし、病院で治療中にお亡くなりになったのではなく、自宅で突然亡くなられたり、事故や不審死として扱われたりしたケースでは、病院から死亡診断書が発行されず、警察や監察医による「死体検案書」が作成されることがあります。また、死因を特定するために「行政解剖」や「司法解剖」が行われることもあります。 このような場合、「病院の死亡診断書や詳細な治療カルテがないから、給付金は請求できないのでは?」と諦めてしまうご遺族もいらっしゃいますが、解剖記録や死体検案書を用いて給付金を受け取れる可能性は残されています。
死体検案書や解剖記録から「肝がん・肝硬変」を立証する
病院での長期的な治療歴がなくても、監察医などが作成した「解剖記録(死体解剖記録など)」は、亡くなった当時の体内組織の状態を極めて詳細に記した医学的証拠となります。
もし、解剖の結果として肝臓にがん組織が見つかったり、重度の肝硬変が確認されたりした場合、その記録は「死亡時にB型肝炎による重篤な肝疾患を患っていた」という強力な証明になります。死体検案書の「直接死因」が別の要因(例えば急性心不全や事故など)であったとしても、解剖記録によって肝がんや肝硬変の存在が立証できれば、B型肝炎ウイルスの持続感染との因果関係を医学的に主張する道が開けます。
医学的見地に基づく専門的な立証が必要
解剖記録などの法医学的な資料を裁判所に提出し、国に因果関係を認めさせるためには、高度な医学的・法的知識が不可欠です。 記録の中に散りばめられた肝臓の所見(組織の線維化や結節の有無など)を読み解き、必要に応じて専門医の意見書(私的鑑定書)を取り付けるなどして、「実質的にB型肝炎の進行が死期を早める大きな要因であった」と論理的に構成する必要があります。これはご遺族だけで行うには非常にハードルが高い作業です。
諦めずに専門の弁護士へご相談を
病院のカルテが揃っていないイレギュラーなケースであっても、残された資料から給付金受給の糸口を見つけ出せる場合があります。
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