【対処法・弁護士の役割】自分で市区町村の窓口を回り古いカルテや健診記録を探すのは大きな負担ですが、弁護士に依頼すれば「弁護士会照会」等の法的手続きを用いて、必要な証拠をスムーズかつ確実に見つけ出すことができます。まずは専門の弁護士へご相談ください。
B型肝炎訴訟および給付金の請求手続きを進めるにあたり、「会社員の夫の扶養に入っている専業主婦だから」「短時間のパート勤務で職場の健康診断を受けていないから」という理由で、請求を諦めてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、結論から申し上げますと、専業主婦(主夫)やパート勤務の方であっても、国に対するB型肝炎給付金の請求は十分に可能です。
この記事では、職場での健康診断データがない場合にどのようにして感染を証明するのか、市区町村健診データの活用法や、母子手帳がない場合の代替証拠の集め方を分かりやすく解説します。
1. 職場の健康診断がない方が直面する「立証の壁」とは
B型肝炎給付金を受け取るためには、国に対して一定の要件を満たしていることを証明(立証)しなければなりません。主な要件は以下の通りです。
- B型肝炎ウイルスに持続感染していること
- 満7歳に達するまでの間に、集団予防接種等での注射器の連続使用等があったこと
- 一次感染者(または二次感染者等)であること
会社員や公務員の場合、毎年受けている職場の定期健康診断の血液検査結果(HBs抗原やHBe抗原・抗体などのデータ)が、持続感染の証明として非常に強力な証拠になります。
では、職場での健康診断の機会がない専業主婦やパート勤務の方は、どのようにして「持続感染」や「過去のカルテ」を証明すればよいのでしょうか。ここで重要となるのが、「市区町村が実施する健康診断データ」や「医療機関での過去の検査記録」です。
2. 市区町村健診データ(住民健診)の活用法
専業主婦やパート勤務の方にとって、最も身近で強力な証拠となるのが、市区町村が実施する健康診査や肝炎ウイルス検診の記録です。
市区町村健診の記録はどうやって集めるのか?
多くの自治体では、住民を対象とした特定健康診査や、肝炎ウイルス検診を行っています。過去に受診した健診でB型肝炎ウイルス検査が含まれていた場合、その結果が自治体に保管されている可能性があります。
ただし、自治体における健診データの保存期間には法律上の定め(一般的には5年程度であることが多い)があるため、古いデータはすでに破棄されているケースも少なくありません。
自治体データがない場合の次の一手
もし市区町村の窓口で「過去のデータは保管期間外で残っていません」と言われた場合でも、絶望する必要はありません。以下のような代替手段があります。
- かかりつけ医や過去に通院した病院のカルテ照会 風邪での受診や妊娠・出産の際の血液検査、その他の病気で病院にかかった際に行われた血液検査のデータが、病院のカルテに保存されているケースがあります。カルテの法定保存期間は原則として医師法により「診療終了後5年間」とされていますが、実際には病院側が自主的に長期保管していることも多々あります。
3. 母子手帳がない!代わりとなる証拠の集め方
給付金請求では、集団予防接種等(集団接種)の機会に注射器が連続使用されたこと(またはその原因となる幼少期)を証明するため、母子健康手帳(母子手帳)の提出が求められます。
「実家に母子手帳が見当たらない」「紛失してしまった」という方も、以下の代替証拠を組み合わせることで立証が可能です。
① 同胞(兄弟姉妹)の母子手帳
自分自身の母子手帳がなくても、年齢が近い兄弟姉妹の母子手帳が残っていれば、当時の同じ地域・同じ時期における予防接種の状況や、カルテの代わりとして有力な状況証拠になります。
② 予防接種台帳(市区町村の保存記録)
かつて市区町村が管理していた「予防接種台帳」が残っている場合、そこにいつ、どのような予防接種を受けたという記録が記載されています。ただし、予防接種台帳も保存期間(自治体により異なるが5年〜数十年)を過ぎると廃棄されていることがあるため、早めの確認が必要です。
③ 出生時の病院や小児科のカルテ
出生した産婦人科や、幼少期にかかった小児科にカルテが残っていれば、当時の予防接種歴や健康状態が記載されていることがあります。
4. 証拠集めを一人で悩まず、弁護士に相談すべき理由
ここまで「市区町村健診データ」や「代替証拠」の重要性について解説してきましたが、ご自身だけでこれらすべての公的機関や医療機関を回り、古い記録を探し出すのは大変な労力を伴います。また、各自治体や病院によって、カルテの開示請求の方法や保存状況が異なるため、知識がないまま進めると行き詰まってしまうことも少なくありません。
弁護士に依頼する最大のメリットは、「弁護士会照会(228条照会)」という法的な権限を用いて、必要な医療記録や行政記録を効率的に調査・収集できる点です。
- どのような病院や窓口に照会をかけるべきか的確な判断ができる
- 面倒な書類収集や訴訟手続き(和解手続き)をすべて任せることができる
- 国から支給される給付金(最大3,600万円など、病状に応じた額)を確実に受け取るための最適な道筋を作ってくれる
職場の健康診断がない主婦やパートの方であっても、過去のカルテや自治体健診の記録を掘り起こすことで、給付金を受け取った実績は数多くあります。
「自分の過去の検査データがどこにあるか分からない」「母子手帳もないけれど大丈夫だろうか」と不安に思われている方は、まずはB型肝炎訴訟に精通した弁護士の無料相談を利用してみることを強くおすすめします。一歩を踏み出すことが、正当な補償を受け取るための確実な第一歩となります。