提訴期限:2027年3月31日 制度解説 ❯

傷病手当金や休業補償を受給しながらB型肝炎訴訟を進める際の注意点

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「傷病手当金や休業補償を受給しながらB型肝炎給付金を請求することはできますか?」
A 【併給の可否と仕組み】 健康保険の傷病手当金や労災保険の休業補償と、国から支給されるB型肝炎給付金(国家賠償金)は、それぞれ支給元や目的が異なるため、基本的に同時受給(併給)が可能です。給付金を受け取ったことで傷病手当金等が返還請求されることは原則ありません。
【注意点と対策】 ただし、過去に受け取った給付や損害賠償金の総額との兼ね合いで、訴訟時の賠償金計算に影響を与える場合があります。正確な相殺ルールの確認やスムーズな手続きを進めるためにも、B型肝炎訴訟に精通した弁護士へ早めに相談することをおすすめします。

B型肝炎給付金と傷病手当金・労災保険の併用・相殺ルールについて

B型肝炎ウイルスの感染により、慢性肝炎や肝硬変、肝がんなどを発症してしまい、休職や療養を余儀なくされている方の中には、健康保険の「傷病手当金」や、業務上の要因が絡む場合には「労災保険(労働者災害補償保険)」を受給されている方もいらっしゃるかもしれません。

そこでよくある疑問が、「傷病手当金や労災保険を受け取っていると、B型肝炎の給付金(国家賠償)は減額(相殺)されてしまうのか?」あるいは「両方を併用して受け取ることはできるのか?」という点です。給付金請求を行う上で、これらの制度の関係性を正しく理解しておくことは非常に重要です。

B型肝炎給付金は「国家賠償」としての性質を持つ

B型肝炎訴訟によって国から支払われる給付金は、幼少期の集団予防接種等における国の過失(注射器の連続使用など)に対する「損害賠償(国家賠償)」という性質を持っています。一方で、傷病手当金は病気やケガで働けない期間の「生活保障」、労災保険は業務中の事由による負傷や疾病に対する「労働者保護」を目的とした制度です。

原則として、同一の事由(同じ病気)に対して、国からの損害賠償と公的な保険給付が重複して支払われる場合、損害の「二重取り」を防ぐために支給額の調整(相殺)が行われる仕組みがあります。

傷病手当金や労災保険との調整(相殺)のルール

具体的に相殺が発生するかどうかは、受給している給付の種類や、B型肝炎の病態によって異なります。

例えば、B型肝炎の治療のために休職し、健康保険から傷病手当金を受け取っている場合、B型肝炎給付金の中から「休業損害」に相当する部分について、支給額の調整(相殺)が行われる可能性があります。しかし、B型肝炎給付金の多くは「慰謝料」としての性質が強いため、給付金の全額が相殺されてゼロになるようなことはありません。

労災保険についても同様で、医療現場での針刺し事故などで労災認定を受けつつ、過去の集団予防接種による感染も認められた場合などには、治療費や休業補償の部分について相殺処理が行われることがあります。ただし、いずれの場合も「全く受け取れなくなる」というわけではなく、各制度の目的と補償範囲に従って適切な金額が計算されます。

専門家による正確な計算とサポート

傷病手当金、労災保険、そしてB型肝炎給付金の関係は非常に複雑であり、ご自身で「いくら受け取れるのか」「相殺されるのか」を正確に判断するのは困難です。また、申請の順序や方法によっては不利益を被る可能性もあります。

弁護士にご依頼いただくことで、現在の受給状況を踏まえた上で、B型肝炎給付金がどの程度支給されるのか、法的な観点から正確に見通しを立てることができます。不当に不利益を被ることがないよう、複雑な制度間の調整も専門家が適切にサポートいたします。

無料相談のご案内

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。 「現在、傷病手当金を受給しているが給付金はもらえるのか」「労災と併用できるのか」といった複雑なご質問にも、経験豊富な弁護士が分かりやすく丁寧にお答えいたします。

B型肝炎訴訟を取り扱う多くの法律事務所では着手金0円の完全成功報酬制を採用していることが多く、初期費用の負担を抑えて手続きを進めることが可能です。まずは専門の弁護士や公的機関への相談を検討することをおすすめします。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

TOP