【早めの対策と弁護士のメリット】期限が迫っている場合や詳細な起算点の判断に迷う場合は、一刻も早く弁護士に相談し、必要書類の収集や提訴の手続きを急ぐことで、適正な給付金受給の可能性を高めることができます。
B型肝炎訴訟における「除斥期間」とは
B型肝炎訴訟において、給付金の金額を大きく左右する重要な概念のひとつが「除斥期間」です。除斥期間とは、損害賠償請求権が生じた時点から一定の年月が経過すると、その権利が自動的に消滅するという制度です。
特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法(特措法)および基本合意書では、この除斥期間が原則として20年と定められています。つまり、無症候性キャリアの場合は集団予防接種等を受けた時から、慢性肝炎・肝硬変・肝がん等の発症者についてはその発症した時から20年が経過してしまうと、請求できる給付金の額が大きく減額される仕組みとなっています。なお、特措法に基づく裁判上の和解手続の提訴期限は2027年3月31日までとされていますので、期限に向けた速やかな対応が必要です。
20年経過により給付金はどう変わるか
給付金の金額は、除斥期間内(20年以内)か超過後(20年超)かによって大きく異なります。病態ごとの基準は以下の通りです。
- 無症候性キャリア
- 感染から20年以内:600万円
- 20年経過後:50万円
- 慢性肝炎
- 発症から20年以内:1,250万円
- 20年経過後:150万円〜300万円
- 軽度肝硬変(代償性)
- 発症から20年以内:2,500万円
- 20年経過後:600万円
- 重度肝硬変(非代償性)
- 発症から20年以内:3,600万円
- 20年経過後:900万円
- 肝がん・死亡
- 発症・死亡から20年以内:3,600万円
- 20年経過後:900万円
上記に加えて、訴訟提起を行った場合には弁護士費用補助手当として給付金額の4%が上乗せして支給されます。また、無症候性キャリアとして和解した後に慢性肝炎や肝がん等を発症・進展させた場合には、差額の追加給付を請求することが可能です。
「除斥期間の起算点」はいつなのか
除斥期間の起算点、すなわち「20年のカウントが始まる日」をどこに設定するかが、給付金の金額を左右する非常に重要なポイントです。病態によって次のような時点が起算点となります。
- 集団予防接種等を受けた時点(無症候性キャリアの場合)
- 慢性肝炎・肝硬変・肝がんが最初に発症・診断された時点(各発症者の場合)
なお、一次感染者が給付金を請求するにあたっては、母子感染でないこと(垂直感染の否定)を立証する必要があります。具体的には、母親のHBs抗原が陰性であったデータや、年長きょうだいの全員(または一部)がHBs抗原陰性であることを示す資料などを用いて立証を行います。
20年を超えていても諦めないでください
「感染や発症からすでに20年以上が経っている」と感じていても、実際には起算点の解釈やカルテ等の医学的資料の精査によって、20年以内と判断される場合があります。また、20年を超過した場合であっても、上記の通りそれぞれ減額された給付金を受け取る権利が法律上認められています。
無症候性キャリアで20年を経過して50万円を受給された方などを対象に、年2回の定期検査費用の助成や、同居家族への世帯内感染防止(ワクチン接種費用等)のための公費助成制度も実在します。ご自身の状況が除斥期間の仕組みにどのように該当するかは、専門の弁護士に相談することで正確に判断することができます。
B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

