この記事の要点まとめ
HBe抗原陰性慢性肝炎の再燃・再々燃における除斥期間の起算点に関する最新合意と救済拡大。
令和8年1月15日締結「基本合意書(その3)」とは
B型肝炎訴訟において、令和8年(2026年)1月15日に国と全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団との間で「基本合意書(その3)」が締結されました。この新しい合意は、HBe抗原陰性慢性肝炎の患者様にとって非常に重要な内容を含んでおり、これまで給付金の対象として救済されにくかったケースに対して救済の枠組みを拡大するものです。
HBe抗原陰性慢性肝炎の「再燃・再々燃」とは
B型肝炎ウイルスの感染後、慢性肝炎を発症したものの、治療や自己免疫の働きによって一度ウイルスの活動が落ち着き、肝炎が長期間「鎮静化」することがあります。しかし、その後何らかのきっかけで再び肝炎の症状が悪化し、肝機能障害が現れることを「再燃」、さらにそれが繰り返されることを「再々燃」と呼びます。HBe抗原が陰性であっても、この再燃・再々燃が起こるリスクがあり、患者様にとっては長期間にわたる通院や治療が必要となる深刻な問題です。
除斥期間の起算点が見直されました
B型肝炎訴訟で給付金を請求する際、「除斥期間」という民法上の期間制限(原則20年)が大きな壁となります。これまでの一般的なルールでは、最初の発症時から20年が経過していると、給付金が大幅に減額されてしまっていました。 しかし、今回の「基本合意書(その3)」によって、HBe抗原陰性の慢性肝炎が再燃・再々燃した場合、その「再燃・再々燃した時点」を新たな除斥期間の起算点(20年のカウント開始日)として扱うことが明確化されました。これにより、最初の発症から20年以上が経過していても、再燃・再々燃から20年以内であれば、減額されない本来の給付金(最大1,250万円など)を受け取れる可能性が大きく広がりました。
救済拡大による今後の見通し
この合意は、長期間にわたり病気と闘ってこられた患者様への救済を実質的に前進させるものです。「昔に発症したから満額の給付金はもらえない」と諦めていた方でも、最近になって症状が再燃しているような場合には、この新しいルールが適用される可能性があります。ただし、再燃・再々燃の医学的な証明や、鎮静化していた期間の立証など、複雑な法律上の手続きには専門的な知識と医療記録の慎重な精査が欠かせません。
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