【対象要件】一次感染者の場合、昭和16年(1941年)7月2日〜昭和63年(1988年)1月27日生まれで、満7歳に達する前に集団予防接種等(昭和23年7月1日〜昭和63年1月27日の実施期間)の際の注射器の連続使用等によりB型肝炎ウイルスに感染した方が対象となります。母子感染ではないことの証明なども必要です。
B型肝炎給付金制度とは
昭和35年(1960年)頃から昭和63年(1988年)頃にかけて、国が実施した集団予防接種(ツベルクリン反応検査や予防接種など)の際、注射器(注射筒や針)が連続して使用されたことが原因で、多くの方がB型肝炎ウイルスに感染しました。
この集団予防接種等による集団感染被害について、国との間で和解を成立させ、被害者の皆様に損害賠償金としての給付金を支給するための法律が「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法(特措法)」です。給付金を受け取るためには、国を被告として国家賠償請求訴訟を提起し、裁判上の和解手続きを行う必要があります。
提訴期限は「2027年3月31日」まで
特措法に基づく給付金を受け取るための訴訟提起(提訴)の期限は、法律により2027年3月31日と定められています。
この期限を過ぎてしまうと、要件を満たしている方であっても原則として給付金を受け取ることができなくなります。必要書類の収集やカルテの取り寄せ、感染経路の立証等には数ヶ月以上の時間がかかることが多いため、受給資格があると思われる方は、期限に余裕を持って早めに準備と手続きを進めることが重要です。
一次感染者の対象要件と母子感染否定の立証
給付金の対象となる一次感染者は、以下の要件をすべて満たしている必要があります。
- 生年月日と予防接種歴: 昭和16年(1941年)7月2日〜昭和63年(1988年)1月27日生まれの方で、満7歳に達する前に集団予防接種等を受けたこと。
- 感染原因: 集団予防接種等における注射器の連続使用によりB型肝炎ウイルスに感染したこと。
- 母子感染等の否定: 母親がB型肝炎ウイルスに持続感染していないこと(母親のHBs抗原陰性データ等により証明)、あるいは年長きょうだいの全員(または一部)がHBs抗原陰性であること等の代替立証によって、母親からの垂直感染(母子感染)や他の感染原因が否定されること。
病態別の給付金額と除斥期間の基準
給付金の額は、現在の病態および発症後(またはキャリア判明後)からの経過時間(除斥期間:原則20年)によって法律で定められています。また、認められた給付金額の4%に相当する弁護士費用補助手当も支給されます。
- 無症候性キャリア
- 感染から20年以内:600万円
- 20年経過:50万円
- 慢性肝炎
- 発症から20年以内:1,250万円
- 20年経過:150万〜300万円
- 軽度肝硬変(代償性)
- 発症から20年以内:2,500万円
- 20年経過:600万円
- 重度肝硬変(非代償性)
- 発症から20年以内:3,600万円
- 20年経過:900万円
- 肝がん・死亡
- 発症・死亡から20年以内:3,600万円
- 20年経過:900万円
※なお、無症候性キャリアとして和解した後に、慢性肝炎や肝がん等を発症・進展した場合には、追加給付(差額の請求)を行うことが可能です。
受給後の定期検査助成などの支援制度
無症候性キャリアとして20年経過後の50万円を受給された方や、和解を完了された方を対象に、健康管理を支援するための公的な制度が用意されています。
- 定期検査費用の助成: 年2回までの定期検査(血液検査や超音波検査等)の費用について、社会保険診療報酬支払基金を通じて公費助成を受けることができます。
- 世帯内感染防止のための給付: 同居家族へのB型肝炎ウイルス感染を防止するためのワクチン接種費用等の助成制度が実在します。
これらは発症の早期発見や重症化防止に役立つ大切な制度ですので、受給後も適切に活用することが推奨されます。
B型肝炎給付金の手続きや対象要件についてご不安な点がある方は、一人で悩まず、厚生労働省の相談窓口や法テラス、あるいはB型肝炎訴訟に精通した弁護士などの専門機関へご相談ください。

