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令和3年最高裁判決と同等の経過をたどる慢性肝炎:再燃・再々燃の除斥期間起算点リセット

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「過去に落ち着いていた慢性肝炎が再燃した場合、B型肝炎給付金請求の除斥期間(20年)はどう扱われますか?」
A 【起算点のリセット】過去に一度鎮静化した慢性肝炎が再燃・再々燃した場合、その再燃した時期が新たな20年の除斥期間の起算点としてリセットされるという最高裁判決の判例実務が適用されます。
【請求のポイント】初発の症状発症から20年が経過しているように見えても、再燃を証明できれば給付金請求の権利が認められる可能性があります。医学的な立証が必要となるため、B型肝炎訴訟に精通した弁護士に早めの相談をおすすめします。

令和3年の最高裁判決がもたらした大きな変化

B型肝炎訴訟において、「除斥期間(20年)」は給付金の金額を決定する上で非常に重要な要素です。原則として、慢性肝炎の発症から20年が経過すると、受け取れる給付金が大幅に減額されてしまいます。しかし、令和3年(2021年)に最高裁判所が下した判決により、この除斥期間の考え方に大きなパラダイムシフトが起こりました。 この判決では、特定の条件を満たす慢性肝炎の患者様について、過去に症状が鎮静化していた場合、「その後に再燃した時点」を新たな除斥期間の起算点(20年のカウント開始日)とすることが認められたのです。

「鎮静化」と「再燃」の考え方

慢性肝炎は、ウイルスの活動が活発な時期と、免疫の働きや治療によって活動が落ち着き、肝機能の数値が正常化する「鎮静化」の時期を繰り返すことがあります。 令和3年の最高裁判決と同等の経過をたどるケースとは、かつて慢性肝炎を発症したものの、その後長期間にわたってウイルスの増殖が抑えられ、肝機能検査の数値(ALT等)が正常範囲内で安定していた状態が続いた後、再びウイルスの活動が活発化して肝炎が「再燃」した状態を指します。 このような場合、法律上は「最初の発症から現在までずっと同じ一つの病気が続いている」のではなく、「一度病気が落ち着き、その後新たな損害(再燃)が発生した」と解釈されるようになりました。

除斥期間の起算点リセットによる影響

この「起算点リセット」の考え方が適用されると、患者様にとって非常に大きなメリットがあります。最初の発症からすでに20年以上が経過していても、再燃した時点から20年以内であれば、除斥期間を過ぎていないものとして扱われるからです。 これにより、本来であれば除斥期間経過後として大幅に減額された給付金(150万円または300万円)しか受け取れなかった方が、除斥期間内の給付金(最大1,250万円)を受け取れる可能性が生じます。長年、病気の再発不安と闘ってきた患者様に対する、より実態に即した救済実務が定着してきていると言えます。

医療記録に基づく慎重な証明が必要です

起算点リセットを認めてもらうためには、単に「再燃した」と主張するだけでは足りません。過去のカルテや血液検査の結果などの医療記録を集め、「長期間にわたって鎮静化していた事実」と「その後に明確に再燃した事実」を医学的・法的にしっかりと立証する必要があります。古い記録を集める作業や、複雑な要件を満たしているかどうかの判断は、専門家のサポートが不可欠です。


B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

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  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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