この記事の要点まとめ
最初の発症から20年超でも、提訴前1年以内に抗ウイルス療法等の治療を受けている場合の救済。
除斥期間(20年)経過後の救済措置とは
B型肝炎訴訟において、慢性肝炎を発症してから20年が経過してしまうと、民法上の「除斥期間」というルールが適用され、損害賠償請求権が消滅したとみなされます。その結果、本来であれば最大1,250万円受け取れるはずの給付金が、大幅に減額されてしまいます。 しかし、国と原告団・弁護団との間で結ばれた基本合意により、除斥期間を経過してしまった方に対しても一定の救済を図る仕組みが設けられています。その中で、要件を満たせば「300万円」の給付金が支給されるケースがあります。
「現在治療継続中」として300万円が支給されるための要件
最初の発症から20年を超えている慢性肝炎の患者様が300万円の支給を受けるためには、「現在も治療を継続していること」を証明する必要があります。具体的には、以下の要件を満たすことが求められます。
提訴前1年以内の治療実績 訴訟を提起する(裁判を起こす)前の1年間に、B型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法(インターフェロン治療や核酸アナログ製剤の投与など)、あるいはそれに準ずる継続的な治療を受けている事実が必要です。「現在も治療を余儀なくされている」という実態があることが、給付額を引き上げる重要な条件となります。
必要な医療記録による証明 単に通院しているというだけでなく、どのような治療薬が処方され、どのような検査が行われているのかを、医師の診断書やカルテ、診療報酬明細書(レセプト)などの客観的な医療記録に基づいて証明しなければなりません。
なぜ治療状況によって金額が変わるのか
除斥期間が経過した後の慢性肝炎において、現在治療を受けていない場合は150万円の支給となりますが、治療を継続している場合は300万円となります。この差は、現在進行形で治療費の負担や通院の負担を抱え、病気と向き合い続けている患者様の経済的・精神的な負担を少しでも多く軽減しようという配慮に基づいています。 20年以上前に発症したからといって、一律に低い金額で切り捨てられるわけではなく、現在の状況に応じた救済が用意されているのです。
諦めずに専門家にご相談ください
「発症から20年以上経っているから」と給付金の請求を諦めてしまうのは非常にもったいないことです。現在の治療状況を適切に証明することで、より手厚い救済を受けられる可能性があります。また、長期間の治療歴がある方の場合、どの時点を「最初の発症」とするかの法的な判断も非常に複雑になるため、弁護士による慎重な調査が欠かせません。
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