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ウルソデオキシコール酸(ウルソ)の処方履歴のみで「慢性肝炎」と認められるか?

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q ウルソデオキシコール酸(ウルソ)の処方履歴だけでB型肝炎訴訟の「慢性肝炎」と認められますか?
A 【結論として、ウルソの単独処方履歴だけでは慢性肝炎と認定されない可能性が高くなります。】ウルソデオキシコール酸は胆汁酸製剤であり、肝機能障害の治療薬として広く使われますが、それ単体ではB型肝炎ウイルスによる慢性肝炎の直接的な証明とはみなされないためです。
【ただし、ALT値の連続異常などの血液検査結果を組み合わせることで、慢性肝炎として認定される場合があります。】カルテや医師の診断書といった客観的な医療記録を精査し、要件を満たしているかを立証することが不可欠です。正確な判断や証拠集めを確実に行うためにも、B型肝炎訴訟に精通した弁護士へ早期に相談することをおすすめします。

ウルソ単独処方と慢性肝炎の証明の壁

B型肝炎訴訟で慢性肝炎の給付金(1,250万円)を請求する際、どのような薬を処方されていたかが非常に重要な証拠となります。テノゼットやゼフィックスなどの「抗ウイルス薬」が処方されていれば、それだけで慢性肝炎の強力な証拠となりますが、「ウルソ(ウルソデオキシコール酸)」のみを処方されている場合は注意が必要です。

ウルソは、胆汁の分泌を促し肝機能を改善する目的で非常に広く使われている飲み薬です。しかし、抗ウイルス薬とは異なり、B型肝炎に特化した薬ではありません。脂肪肝、アルコール性肝障害、あるいは単なる一時的な肝機能低下など、様々な原因に対して比較的軽度な段階から処方される一般的な薬です。

そのため、裁判においては「ウルソが処方されていた」という事実だけでは、「B型慢性肝炎を発症している(いた)」ことの決定的な証明にはならないと判断されてしまいます。

ウルソ処方と血液検査の「合わせ技」で証明する

ウルソの処方履歴単独では不十分だとしても、決して給付金請求を諦める必要はありません。ウルソの服用記録は、「半年以上継続した血液検査の異常(ALT異常)」と組み合わせることで、慢性肝炎を認定するための非常に有効な証拠に変わります。

通常、慢性肝炎を立証するためには「6ヶ月以上の間隔をあけた2つの時点での血液検査(ALT値の異常)」が必要です。しかし、その2つの検査の間に正常な数値に戻っている期間があると、「一時的な異常に過ぎず、慢性化していないのではないか」と国から反論されるリスク(境界線の問題)があります。

このような際、「その期間中、継続してウルソが処方され、内服治療を続けていた」という事実があれば、「一時的に数値が下がっていたのはウルソの薬効によるものであり、根本的な慢性肝炎の状態は継続していた」と主張することが可能になります。

つまり、ウルソの処方記録は、不完全な血液検査のデータを補強し、慢性肝炎認定の境界線を越えるための「つなぎの証拠」として極めて重要な役割を果たすのです。

専門的な判断が必要なケースです

「自分の血液検査の数値で和解基準を満たすのか」「手元にあるお薬手帳の記録が証拠としてどの程度役立つのか」といった判断は、医学と法律の両方の知識が求められるため、ご自身だけで判断するのは非常に困難です。自己判断で「基準を満たしていない」と思い込んでしまうのは大変もったいないことです。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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