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肝硬変に伴う「食道・胃静脈瘤」に対する「内視鏡的硬化療法(EAS・EVL)」記録

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 食道・胃静脈瘤に対する内視鏡治療(EIS・EVL)の記録は、B型肝炎訴訟でどのような証拠になりますか?
A 【決定的な医証としての価値】食道・胃静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法(EIS)や結紮術(EVL)のカルテや手術記録は、門脈高圧症を引き起こす「肝硬変」を発症していたことを証明する極めて強力な客観的証拠となります。
【受給額への影響と対策】肝硬変と認められることで、国からより高額な給付金を受け取れる可能性が大きく高まります。そのため、当時の古い病院のカルテやレセプトなどの医証を漏れなく収集し、正確に裁判所へ提出することが重要です。

合併症から「肝硬変」を証明するアプローチ

B型肝炎訴訟において、病状が「肝硬変」であると認定されれば、給付金額は慢性肝炎の1,250万円から、最大2,500万円(※発症から20年未満の場合)へと大きく増額されます。

肝硬変であることを国に証明するためには、通常、肝生検(組織検査)やエラストグラフィ(硬さの検査)といった肝臓そのものを調べる検査結果が求められます。しかし、昔のカルテがなくてそれらの検査データが提出できない場合でも、決して諦める必要はありません。

肝臓そのものの検査結果がなくても、肝硬変特有の「合併症」の治療記録があれば、裁判上「医学的に肝硬変に至っている」と強く推認され、和解が認められる可能性が高いのです。その代表的な合併症が「門脈高圧症による食道・胃静脈瘤」です。

静脈瘤の治療記録が「肝硬変の決定的証拠」に

肝臓が硬く縮む(肝硬変になる)と、肝臓に流れ込むはずの血液(門脈血)が行き場を失い、食道や胃の静脈に迂回して血管がコブのように膨れ上がります。これが「食道・胃静脈瘤」です。つまり、静脈瘤ができているということは、背景に重度の肝硬変が存在していることの裏返しなのです。

この静脈瘤が破裂すると命に関わるため、病院では以下のような治療が行われます。

  • 内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL):胃カメラを使って、コブを輪ゴムのようなもので縛る治療

  • 内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS):胃カメラを使って、コブに硬化剤(固める薬)を注射する治療

裁判において、過去にこれらの「静脈瘤の手術・処置を受けた」というカルテや手術記録、レセプト(診療報酬明細書)などの記録を提出できれば、肝臓の直接的な検査データがなくても、肝硬変を発症していることの強力かつ決定的な証明となります。

証拠探しは多角的な視点が必要です

「肝硬変の証明だから、肝臓の検査データでなければならない」と思い込んでいると、せっかくの証拠を見落としてしまうことがあります。内視鏡検査の記録や、消化器外科での手術記録が、給付金の額を左右する極めて重要な証拠に化けるケースは多々あります。

どの記録が法的に有効な証拠になるかは、過去の裁判例や医学的知識を持つ専門家でなければ判断が難しい部分です。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

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  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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