提訴期限:2027年3月31日 制度解説 ❯

肝性脳症に対する「合成不消化二糖類(ラクツロース・ゼリア」処方と重度判定

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q B型肝炎訴訟で肝性脳症による重度判定を受けるには、どのような薬の処方が証拠になりますか?
A 【重要となる処方薬】ラクツロース(合成不消化二糖類)やカニフェールなどの投薬実績が、Child-Pugh分類の脳症項目における加点を立証するための決定的な医療記録となります。
【訴訟上のメリットと対策】これらの処方履歴をカルテ等から正確に収集・立証することで、病態の重度判定が認められやすくなり、給付金の受給要件クリアや金額増額へ直結します。個人での収集には限界があるため、B型肝炎訴訟に精通した弁護士へ依頼し、適切な証拠保全を行うことが確実です。

重度肝硬変(3,600万円)の認定基準:Child-Pugh分類とは

B型肝炎訴訟において「肝硬変」と認定された場合、給付金の対象となりますが、その中でも特に症状が重い「重度肝硬変」と認定されると、最も高額な給付金(発症から20年未満の場合で3,600万円)が支給されます。

この「重度肝硬変」に該当するかどうかは、裁判上、「Child-Pugh(チャイルド・ピュー)分類」という世界共通の重症度判定基準を用いて厳格に審査されます。5つの検査項目(脳症、腹水、ビリルビン、アルブミン、プロトロンビン時間)を点数化し、合計10点以上(クラスC)になれば、重度肝硬変と認められます。

点数を積み上げる上で非常に重要な鍵を握るのが、「肝性脳症」という項目の加点です。

ラクツロース等の処方記録が「脳症」の証拠に

肝臓の解毒機能が低下すると、体内にアンモニアなどの毒素が溜まり、意識がもうろうとしたり異常行動を起こしたりする「肝性脳症」を発症します。Child-Pugh分類において、この脳症が認められれば「2点〜3点」という大きな加点を得ることができます。

しかし、昔のカルテに「脳症あり」と直接的な言葉で書かれていないケースも多く、証明が難しいことがあります。そのような場合に証拠となるのが、ラクツロース(モニラック等)やカニフェールといった特殊な治療薬の処方記録です。

これらの薬は、腸内のアンモニアの吸収を抑え、肝性脳症を予防・治療する目的で処方されるものです。つまり、「ラクツロースが継続的に処方されていた」という客観的な薬の処方記録(お薬手帳やレセプトなど)があれば、「医師が肝性脳症(またはその切迫状態)であると診断し、治療を行っていた」ことの強力な裏付けとなります。

処方記録一つが給付金額を大きく左右します

Child-Pugh分類で10点を超えるかどうかは、文字通り給付金額が「2,500万円」になるか「3,600万円」になるかの重大な分かれ目です。血液検査の数値だけでは9点止まりであっても、ラクツロースの処方記録を掘り起こして「脳症」の加点を証明できれば、10点以上に到達して重度肝硬変として認められる可能性が十分にあります。

このように、古い薬の記録一つが数千万円の違いを生むのがB型肝炎訴訟の特徴です。手元にある資料が要件を満たすかどうか、専門家による慎重な分析が不可欠です。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

TOP