この記事の要点まとめ
昭和16年7月2日〜昭和63年1月27日生まれの原告が日本国内に居住していたことの証明方法。
居住歴の証明がなぜ必要なのか?
B型肝炎訴訟において給付金の対象となる条件の一つに、「昭和16年7月2日から昭和63年1月27日までの間に生まれたこと」があります。そして同時に、「満7歳になるまでに集団予防接種等を受けたこと」を証明する必要があります。
当時、集団予防接種は日本国内の各市区町村で一斉に実施されていました。そのため、「満7歳になるまでの期間、日本国内に住んでいた(住民登録があった)」という事実を証明することが、集団予防接種を受ける機会があったことの重要な裏付けとなります。逆に言えば、幼少期に海外に住んでおり、日本の市区町村に住民登録がなかった場合は、日本での集団予防接種を受けていないと判断される可能性があります。
本記事では、この重要な要件である「満7歳になるまでの国内での居住歴」を証明するための公的書類の集め方と、記録が破棄されている場合の対応方法について解説します。
居住歴を証明するための2つの基本書類
過去の居住歴を証明するためには、主に以下の2つの公的な証明書を市区町村役場から取得します。
1. 住民票(住民票の除票)
住民票には、氏名や生年月日とともに、その住所にいつからいつまで住んでいたかが記載されています。転出や死亡などにより住民票が消除されたものを「住民票の除票」と呼びます。幼少期の住所地を管轄する役所で取得することで、当時の居住歴を証明できます。
2. 戸籍の附票(こせきのふひょう)
戸籍の附票とは、その戸籍が作られてから除籍されるまでの住所の履歴(変遷)を記録したものです。引越しを繰り返している場合、住民票の除票を各役所で集めるよりも、本籍地の役所で戸籍の附票を一つ取得するだけで、過去の住所履歴をまとめて証明できるケースが多く、非常に便利な書類です。
保存期間の経過により書類が取得できない場合の対応
居住歴の証明において最大の壁となるのが、公的記録の「保存期間の経過」です。
かつて、住民票の除票や戸籍の附票の保存期間は、法律により「除票・除籍等になってから5年間」と定められていました。(※令和元年の法改正により現在は150年に延長されましたが、それ以前に5年が経過して廃棄されたものは復活しません)。 B型肝炎訴訟の対象者は幼少期から数十年が経過しているため、当時の住民票の除票や戸籍の附票がすでに役所で「廃棄済み」となっているケースが非常に多いのです。
「不存在証明書(廃棄証明書)」の取得
役所で記録が廃棄されており、居住歴を証明する書類が取得できない場合は、対象となる役所に対して「不存在証明書(または廃棄証明書、交付できない旨の証明書など)」を発行してもらいます。
これは「記録がないのは本人の過失ではなく、役所の保存期間が過ぎて適法に廃棄されたためである」ということを公的に証明するものです。裁判所にこの不存在証明書を提出することで、証明ができない正当な理由として国に認められます。
代替手段による居住歴・生活実態の証明
役所の書類が廃棄されていても、居住歴の証明を諦める必要はありません。不存在証明書を提出した上で、以下のような代替資料を用いて、満7歳になるまで日本国内で生活していたこと(集団生活を送っていたこと)を推認させます。
- 幼稚園の卒園証書や小学校の卒業証書・成績表:国内の学校に通っていた明確な証拠となります。
- 母子健康手帳:手帳内に記載された住所や、予防接種の受診記録そのものが国内居住の強力な証拠です。
- 家族の戸籍・住民票:親の戸籍附票などが残っていれば、同一世帯で生活していた子どもの居住歴の裏付けとなります。
- 陳述書(様式3-2):当時の住んでいた場所の記憶や、通っていた小学校の思い出などを具体的に記載し、国内で生活していたことを説明します。
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