この記事の要点まとめ
一緒に予防接種を受けた記憶を持つ第三者(同級生、保護者等)の陳述書による証拠補強。
客観的記録がない場合の「陳述書」の重要性
B型肝炎訴訟において、満7歳までに集団予防接種等を受けたことを証明するためには、母子健康手帳や市町村の予防接種台帳を提出するのが最も確実です。しかし、これらが紛失・破棄されて存在しない場合、本人の記憶に基づいて作成する「陳述書(様式3-2)」と「接種痕意見書」などが重要な代替証拠となります。
しかし、幼少期の記憶は曖昧なことが多く、「いつ・どこで予防接種を受けたか、はっきりとは覚えていない」という方も少なくありません。本人の陳述書だけでは当時の状況を十分に説明できない場合、その内容を補強する非常に有効な手段となるのが、「第三者による目撃陳述書」の提出です。
目撃陳述書とは? 誰に書いてもらうべきか
目撃陳述書とは、原告(給付金を請求するご本人)が幼少期に集団予防接種等を受けていた当時の状況を知っている第三者に、その記憶を書き記してもらう書類です。 本人の記憶を補い、「確かにこの人は予防接種を受けていた」という客観的な事実を裏付ける強力な証拠となります。
目撃陳述書の作成を依頼する主な対象者は以下の通りです。
1. 両親や親族(保護者)
当時、付き添いとして一緒に予防接種の会場に行った母親や父親、あるいは年上のきょうだいが最も確実な証言者となります。 「〇〇小学校の体育館に一緒に連れて行き、注射を受けさせた」「注射の後、腕が赤く腫れたのを看病した」といった、保護者ならではの具体的な記憶は非常に説得力があります。
2. 当時の同級生・幼馴染
同じ時期に同じ地域に住み、同じ学校や幼稚園に通っていた同級生も重要な証言者です。 集団予防接種は学校の授業の一環として体育館などで行われることが多かったため、「〇〇さん(原告)と一緒に列に並んで注射を受けた」「〇〇さんが注射を怖がって泣いていたのを覚えている」といった同級生の証言は、集団予防接種の事実を強く推認させます。
3. 近隣住民
当時近所に住んでいた大人(近所のおばさんなど)が、「自分の子どもと一緒に連れ立って、公民館での集団接種に連れて行った」といった状況を覚えている場合、その証言も有効です。
目撃陳述書に記載すべきポイント
目撃陳述書を作成してもらう際は、以下のポイントをできるだけ具体的に盛り込むことが重要です。一般的な「受けたと思います」という曖昧な表現ではなく、具体的なエピソードを記載することで信用性が高まります。
- 時期・年齢:「原告が〇歳の頃」「昭和〇年の春頃」など。
- 場所・会場:「〇〇小学校の保健室」「〇〇町の公民館」など。
- 予防接種の種類:「種痘」「ハンコ注射(BCG)」「腕に何本か打つ注射」など、覚えている範囲の形状。
- 具体的なエピソード:「一緒に列に並んだ」「泣き叫んでいた」「終わった後にご褒美をもらった」などの個人的な記憶。
目撃証言が得られない場合でも諦めない
両親がすでに他界しており、当時の同級生とも疎遠になっていて、目撃陳述書を書いてもらう人が誰もいないというケースも珍しくありません。 しかし、第三者の目撃証言がないからといって給付金の対象外になるわけではありません。本人の陳述書、接種痕意見書、居住歴を証明する書類(住民票の除票や戸籍の附票)、学校の卒業証書など、他の様々な資料を組み合わせることで、十分に証明を行うことは可能です。
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