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民事訴訟

【基本】処分権主義と実務

2025/04/06 更新

申立事項

(1)裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない(民事訴訟法246条)。

(2)民事訴訟では、当事者が実体法上の権利を自由に処分出来ることを反映させて、当事者は、訴えを提起するかどうか、審判対象をどうするか。訴訟でいくら請求するか、訴訟を自分で終わらせる権利を有している(処分権主義)。民事訴訟法246条の根拠は処分主義である。

(3)また、民事訴訟法246条によって、被告は原告の請求額を超えた判決は出されないことが保障されている。これを超えた認定することは、被告にとって不意打ちともなる。

民事訴訟法246条(判決事項)
 裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない。

請求額を超えること

 原告の請求が150万円であるのに、裁判所が100万円の支払いはを命じることは、民事訴訟法246条違反となる。

訴訟物を異なること

(1)例えば、訴訟物が不法行為に基づく損害賠償請求であるのに、債務不履行に基づく損害賠償請求権が認めることは、 新訴訟物理論によれば処分権主義に反しないが、旧訴訟物理論によれば、訴えの選択的併合がされていない限り、処分権主義に違反することになる (最判昭和 53・6・23判時 897号59頁 参照)。

(2)これに対して、交通事故により身体傷害を負った被害者が治療費 300万円、逸失利益1000万円、慰謝料700万円の合計2000万円を請求した場合に治療費を300万円、逸失利益を1500万円,、慰謝料を200万円とそれぞれ認定して合 計2000万円の支払いを命じることは、各損害項目を別個の訴訟物と考えれば、申立てを超えて逸失利益を認容している点で処分権主義に違反するが、 同一事故に基づく全損害を1個の訴訟物と考える場合には、総額で請求額を超過していない以上,、処分権主義に違反しないことになる (最判昭和48・4・5民集 27 巻 3号419頁)。

一部認容判決

 ある判決が請求の一部認容判決として認められるかどうかは、判決の内容が原告の合理的意思の範囲に含まれるか、 その ような判決をすることが被告に不測の不利益を課すことにならないかという観点から判断される。
 たとえば、1000万円の貸金返還請求に対して、100万円の一部弁済を認定して、 900万円の支払いを命じることは

引換給付判決
 無条件の給付請求に対して、 留置権の抗弁が認められるとして、引換給付判決をすること許される。(最判昭和47・11・16民集 26巻9号1619 等)。 

 家屋明渡請求訴訟において,、一定金額の立退料の支払と引換えでの、またはこれを条件とする明渡しが請求されたのに対して、賃貸人による立退料支払の申出の趣旨に反しない限度で立退料を増額して引換給付を命じることも許される (最判昭和46・11・25民集 25巻8号1343頁) 。

 当事者が立ち退き料の請求や、支払いを主張しない場合に、これを認定するのが弁論主義違反にならないか。例えば、同時履行の抗弁権は、権利抗弁であるから、権利者の権利主張が必要である。
 これに対しては、立ち退き料は、建物明渡訴訟における正当化事由の一つである。したがって、原告が正当事由の一つとしてこれを主張することがあるとしても、被告がこれを主張する必要はない。
 もっとも、原告が、相当金額を支払う意思がある、という正当化事由の主張が必要であるという見解もある。
参考
 越山和広「ロジカル演習 民事訴訟法」 120頁

債務不存在訴訟
(1)債務不存在確認請求訴訟において、原告が100万円の債務全部が不存在であることの確認を求めたのに対して、裁判所が,債務のうち 20万円はなお存在すると認める場合には、債務は20万円を超えては存在しないことを確認し、その余の請求を棄却することになる。

(2)原告が10万円を超える債務の不存在の確認を求めたのに対して、債務が20万円を超えては存在しないことを確認 することも、一部認容判決として認められる。

その他

 このほか問題となっている例として、同じ給付であっても現在給付の訴えに対して将来給付の判決ができるか, 損害賠償請求で一時金による 支払が求められているのに対し定期金による支払を命じる判決ができるか(東京高判平成15・729 判時1838号69頁)等の問題がある。

 

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