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民事訴訟

【実務】不起訴の合意

2025/04/13 更新

不起訴の合意

 不起訴の合意が有効であれば、訴訟要件を欠くことになり訴えは却下される。

不起訴の合意の有効性

(1)裁判を受ける権利は憲法上保証された権利です。これを放棄できるのかという疑問や、不起訴の合意が認められえば、裁判を受ける権利を失うために、より慎重に判断すべきという考え方もある。

(2)合意書にて不起訴の合意をした(合意書に、「今後本件に関しては、異議の申立、訴訟等を一切しない。」との条項があった。)としても、債務者がその合意書における義務を履行していない場合には、訴訟を提起することができる(最判昭和51年3月18日)とした判例がある。

不起訴の合意と実務上の取り扱い

(1)訴訟要件とは、本案判決をするために必要な要件である。 確かに、訴訟要件は、本案審理よりも先に審査すべきである。しかし、現在の手続では、管轄の審理を除いて、訴訟要件の審査を経てから本案の審理に入るという二段階構造は取られていない。

(3)不起訴の合意については、その効力が争われれば、他の実体法上の主張の当否と同時並行で審理される。

不起訴の合意を争う意味

(1)不起訴の合意は、「甲は乙に対し一切の請求をしない。」「甲は乙に対し訴えの提起をしない。」等の合意書に書かれている。

(2)当事者の合理的意思としては、「今後、一切請求しない」という(実体法上の)和解の合意とともに、「訴えを提起しない」という(訴訟法上の)不起訴の合意を締結したと考えられるケースがほとんどである。

(3)不起訴の合意が認められえば、裁判を受ける権利を失うために、より慎重に判断すべきという考え方もあるが、「訴えを提起しない」という(訴訟法上の)不起訴の合意を認定するハードルは、「今後、一切請求しない」という(実体法上の)和解の合意を認定するハードルと同じく、当事者の真摯な合意の有無であり、そのハードルは変わらない、と考えるべきであろう。

(4)前述したように、不起訴の合意が認められた場合には、請求は却下される。これに対して、「今後、一切請求しない」という私法上の権利を放棄した旨の和解の合意が成立すれば、原告の請求は棄却される。

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