【実務】主張書面の提出(期日の運用)
2025/04/13 更新
主張書面の提出と、陳述の実務
民事事件では、以下のやり方で、主張書面が提出され、かつ、陳述されます。
書証の提出
(1)主張書面(答弁書、準備書面)の提出は、原裁判所と、相手方に送ります。
(2)FAXで送ることもあります。
郵送の場合には、自分の控えと裁判所と相手方分の3部必要になります。例えば、相手方が2名いると、4部必要になります。
(3)裁判の期日の一週間前まで証拠を提出することになっています。
現実には、前日に送ることも多い。
送達 (1)送達は、裁判所が当事者に対し、訴状、判決などの重要な訴訟資料を送る手続です。 (2)裁判手続において、特に重要な書類の送付は、送達という手段をとります。 訴状、反訴状、訴えの変更申立書については、原告(反訴原告)が被告(反訴被告)に郵送するのではなく、裁判所に一度送った後に、裁判所が、送達の方法で被告(反訴被告)に送ります。 (3)これらの書類は、実質的には、訴えの提起にあたるとされるからです。 |
書面の提出
(1)裁判所は事前に書証を見ていますが、法律上は裁判の期日にて「陳述します。」と述べて、その日に書類を提出したものと扱います。
(2)実務的には、期日にて、裁判官が「提出書面を確認します。原告の第一準備書面が提出されています。原告、本日、これを陳述でよいですか。」と述べて、原告は「陳述でお願いします。」と回答して、その期日に提出したことになります。
(3)裁判所は、「口頭弁論、準備的口頭弁論、弁論準備手続、和解等」の期日のやりとりについて、書類を作ります。これを実務上は手続調書と呼びます。
(4)裁判所での当事者の主張は、書面だけでなく、期日で、当事者が述べて口頭で述べて、裁判所が手続調書に書き取る形で、主張されることもあります。
手続調書
(1)事前に提出された準備書面の内容を確認する程度であればよいですが、新しい主張がある場合には、手続調書の謄写の手続が必要です。
(2)なぜなら、記録に綴られている書面だけで、当事者の主張を確認できなくなるからです。
(3)手続調書の謄写は裁判所に別の手続が必要です。手続調書で、あらたな主張を記載することは稀です。このような場合には、特例であるとして、FAXで写しやメモを送ってほしい、と交渉することもあります。このような運用を認めなければ、当事者の事務負担が増え、ひいては、公判期日で口頭での主張を書面化する等の円滑な運用ができなくなるからです。
(4)なお、当事者が新たな主張をするのであれば、手続調書に記載するのであはなく、新しく書面を出すのが、理想的とされています。手続調書は、当事者の口頭での発言を裁判所が文章化して、これを判決を書くときの資料としますが、当事者の意思を正確に汲み取っているか問題になり得るからです。