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民事訴訟

【実務】尋問手続

2025/04/11 更新

裁判の流れ

(1)裁判所は、争いの無い事実(当事者に争いがなく、経験則的にみて、その事実は存在したと考えてよい。)と、客観的証拠を前提に、事実を把握してきます。

 そして、最後に、当事者を呼んで話を聞きます(尋問手続)。

(2)尋問手続は、第一審の裁判の最後に行われます。

(3)尋問期日が口頭弁論の最終日となって、次回期日は判決の言い渡し日となることがあります。

 また、尋問後は2、3回の和解期日を開いて、その後に、口頭弁論が終結して、その後に判決の言い渡し日となることがあります。

 尋問後の手続は、裁判所が当事者の意見を聞いて決めることになります。

裁判官の心象

1 争いのない事実と、客観的証拠

(1)裁判で書面を出すときに、相手の主張について①認めるのか、②否定するのか、を記載する、というルールがあります。

 また、②否定する場合には、③真実はどうなのか、を記載することがルールとなっています。

(2)例えば、原告は、「3月3日、AとBは、銀行の応接室で会って、契約書を締結した。」と主張しました。

  被告は、「3月3日、AとBは、銀行の応接室で会ったことは事実である。しかし、司法書士が遅刻して、後日契約をすることになって、そのまま、書類を締結せずに帰宅した。」と反論をしました。

  これにって、「3月3日、AとBは、銀行の応接室で会った。」ことは争いのない事実となります。これに対して、「同日、同場所で、AとBが契約書を締結した。」かどうか争点となります。

(3)ここで、契約書や、AとBのメールのやり取り等の客観的な証拠ができています。

(4)裁判所は、争いの無い事実(当事者に争いがなく、経験則的にみて、その事実は存在したと考えてよい。)と、客観的証拠を前提に、事実を把握してきます。

(5)裁判所は、最後に、当事者を呼んで話を聞きます(尋問手続)。

2 尋問の影響力

(1)裁判官は、尋問手続の前に、どんな結論を出すのかは多くのケースで決まっている、と言われています。

(2)現実的に言っても、Aさんが、Aと供述し、BさんがBだと供述して、それだけでAなのか、Bなのか確定することは困難です。

(3)したがって、多くのケースでは、尋問の出来不出来については、裁判の結果に与える影響は小さいと言われています。

陳述書と証拠申出書

(1)尋問の前の期日に、当事者は、陳述書と証拠申出書を出します。

(2)陳述書は、証人等がどんな話をするのかを書いた書類です。証拠として提出します。

(3)証拠申出書は、当事者として、尋問手で、どんな人を証人等として申請するのかを書いた書類です。

(4)裁判所は、陳述書と証拠申出書を見て、誰を証人として呼ぶかを決めます。

尋問手続

(1)尋問手続では、証人 → 原告 → 被告の順番で話を聞くのが通常です。

(2)原告本人の尋問では、原告側の弁護士が原告本人に質問して、原告本人が答えます。その様子を裁判所が聞くという方法をとります。原告本人が、自分で順序よく話をすることは難しいからです。質問に答える形で進んで生きます。これを主尋問といいます。

(3)原告側の弁護士が質問した後に、被告側の弁護士が原告本人に話を聞きます。これを反対尋問といいます。

(4)最後に裁判官が、5分から10分程度、質問します。これを補充質問といいます。

(5)このように、尋問手続は、主尋問(味方側の弁護士からの質問)、反対尋問(敵側の弁護士からの質問)、その後に、裁判官の質問という形で進みます。

当事者の出席

(1)裁判の期日の多くは、書面の提出と証拠の提出をするための期日です。(争点整理手続)

 これらの期日は、それぞれの弁護士だけが出席することが多いです。

(2)当事者本人が裁判所に出席するのは、尋問期日のこの1回だけなのが多いです。

持ち物

1 本人

(1)本人には、身分証と認印を持ってくるように言いましょう。

’(2)印鑑は、尋問で嘘をつきません、という宣誓書に署名押印するのに使います。

2 取り調べが済みの証拠の原本

(1)証拠の原本を見せて話を聞くことがあるので、原本で提出している証拠は全て持っていくのが原則です。

(2)証拠の原本性に争いがあることはほとんどありません。したがって、尋問前の期日で、原本を持っていく必要があるかを確認して、当日、持っていかない運用もありえます。

3 証拠調べが未了の証拠の原本

(1)原本として提出する予定の証拠は、裁判所に持っていく必要があります。

(2)証拠調べが未了の証拠があれば、当日、裁判所に持っていく必要があります。

尋問前の打合せ

 尋問期日の一週間ほど前に、証人等と打合せをすることになります。

尋問後の和解の話し合い

(1)尋問をした後、その日に30分程度、裁判所が当事者の話を聞いて、和解の話し合いをすることがあります。

(2)尋問の日には、尋問で話を聞いた後に、「裁判官が、せっかくなので、和解できるか話を聞きたい。」と言って、尋問後の和解の話し合いをすることがあります。

尋問後の尋問調書の謄写申請

(1)尋問手続で、当事者が話した内容について尋問調書が作られます。

(2)尋問後には、この尋問調書について、謄写申請をすることが必要になります。

(3)もっとも、尋問後に和解で決着がつくケースがあります。このような場合には、尋問調書の謄写をしないことがあります。

(4)尋問調書を見ながら、最終準備書面(尋問後に、尋問の結果を踏まえて当事者の最終意見を記載した準備書面)

を書くことがあります。

 なお、尋問期日が口頭弁論の最終日となって、次回期日は判決の言い渡し日となることがあります。この場合には、最終準備書面を書くことはありません。

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