判例(仮眠時間が労働時間になることを認めた判例)
2023/03/22 更新
判例
本判決は、仮眠時間が労働時間になるかどうかについて、仮眠室では、異常があればアラームが鳴る仕組みになっていこと、異常が発生し何らかの対応しなければならない頻度及びその業務量を考慮して、労働者は仮眠時間であったとしても、使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価される(労働時間になる)と判断しました。
不活動時間と労働時間
(1)仮眠時間は不活動時間です。
(2)不活動時間とは、就業の途中において、業務をしていない時間です。この時間が労働時間なのか、それとも休憩時間であるかはケースバイケースで決まります。
本判例の意義
本判決は、仮眠室では、異常があればアラームが鳴る仕組みになっていこと、異常が発生し何らかの対応しなければならない頻度、その業務量を考慮してして、労働者は仮眠時間であったとしても、使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価される(労働時間になる)と判断されました。
令和元年7月24日 東京地方裁判所
判例タイムズ 1481号178頁以下
解説
(1)実務上は、休憩時間であっても、お客様から電話がかかって来てこの電話に出ることがあります。これらの不活動時間について労働時間となるかが争点となることがあります。
(2)本判決では、携帯電話を持たせていたことだけでは、労働時間(手待ち時間)と判断されるわけではなく、本判決と同じく、そのような対応を強いられる頻度や、その内容を考慮して、電話対応の待ち時間として労働時間にあたるか判断されることになります。