治療費の立て替え払いが中止されたとき(2)
2022/11/05
治療費の立て替え払いと、その中止
(1) 交通事故の場合、加害者の保険会社が、治療費の立て替え払いをしてくれます。
(2) 任意保険の保険会社が治療費を立替えることを「一括対応」といいます。
(3) 保険会社が「治療の必要性がない。」として、治療費の立て替え払いを中止してくることがあります。
治療を続けましょう
(1)保険会社の立て替え(の中止)の是非は、あくまで、損害賠償の仮払いの問題です。
(2)お体に不安がある場合には、健康保険を使って治療を継続してください。
(3)立て替え払いの停止後、病院の窓口で、健康保険を使いたいと申し出て下さい。3割自己負担が発生しますので、今後通院するときにはお金を支払う必要があります。
(4)なお、治療を続ける方法としては、労災を使う、自賠責を使うこともありえます。
方法1(自己負担した治療費の請求)
(1)保険会社の立て替え(の中止)の是非は、あくまで、損害賠償の仮払いの問題です。
(2)自己負担した治療費については、治療終了後に、損害賠償の交渉をするときに支払ってもらう解決策があります。
打ち切りと治療費
(1)保険会社が立て替え払いの打ち切りをすると、依頼者が治療費を支払う必要が出てきます。
(2)保険会社が立て替え払いしている期間内は、依頼者は、病院等に行ってもお金を支払う必要がありませんでした。
(3)保険会社が立て替え払いを中止した場合には、病院に行く際に治療費を持参する必要があることは必ず、依頼者に伝えましょう。
(4)また、「病院の窓口で、今後は健康保険に切り替えます、と説明する必要があること」、「健康保険証を持って行く必要があること」も必ず伝えるべきです。
方法2(医師に意見書を書いてもらう)
(1)もう一つの方法として、医師に「〇〇という症状がでており、▲▲の治療をしています。したがって、今後の治療が必要です。」意見書を書いてもらう解決策があります。
(2)医師に意見書を書いてもらって、保険会社に送ります。保険会社も、医師の意見書を見せられれば、保険会社は、治療費の立て替え払いを継続してくることがほとんどです。
(3)医師の意見書を作成する場合には、弁護士として診察の立ち合いをお願いします。そして、弁護士から医師に質問し、その回答をとめて意見書の下書きを作ります。医師には、その内容に間違いがないことを確認してもらって署名・押印してもらいます。
(4)例えば、単に、医師に治療の必要性について意見書を書いてほしいと頼んでも、「右肩打撲で治療の必要性あり。」としか記載されません。
①「〇〇さんの右肩打撲にはどんな症状があるのでしょうか。」「動かすと痛みがあるのでしょうか。」「右肩の動きが制限されたりするのでしょうか。」
②「症状があるとどうして判断できるのでしょうか。」「レントゲン等に写るのでしょうか。」「患者さん本人の自己申告でしょうか。」「幹部を触ると分かるのでしょうか。」
③「今後、完治までどれくらいかかりますか。」「〇月と〇月で通院回数に変化はありますか。」
④「現在、行っている治療はどんなものですか。」「〇月と〇月で通院回数に変化はありますか。」
など、具体的な質問をして、裁判官が事実を把握するうえで必要と思える情報が記載された意見書を作ることができます。
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