判例(婚姻無効の判決が確定し、嫡出子としての身分が無くなった子について、戸が籍上は「出生父〇〇届出」と記載があるものの、そのほかに、戸籍上の父が出生の届出を出したことを推察させる事情がなく、戸籍上の父が認知をしたと認められないから、親子関係存在確認の請求は認められない。
2026/03/01 更新
このページを印刷東京高判令和7年6月24日 判例タイムズ1540号101頁
(1)婚姻無効の判決が確定し、嫡出子としての身分が無くなった。
(2)戸籍上では「出生父〇〇届出」と記載があるものの、そのほかに、戸籍上の父が出生の届出を出したことを推察させる事情がなく、戸籍上の父が認知をしたと認められない。
(3)嫡出でない子と父の親子関係存在の訴えが認められるには、①父の認知と、②生物学的な親子関係があることが必要であるところ、①の認知が認めらず、親子関係存在確認の請求は認められない。
解説
1 認知制度
(1)婚姻無効の判決が確定すれば、嫡出子としての身分が無くなります。
婚姻関係中に、生まれた子は嫡出推定等で、父子関係が決まります。これに対して、婚姻関係外で、生まれた子については認知の問題となります。
最判昭和53年3月24日民集32巻1号110頁は、嫡出でない子について、父が嫡出子としての出生届を出した行為について、認知としての効力を認めました。
2 認知の認定の有無
(1)本判決は、戸籍上では「出生父〇〇届出」と記載があるものの、そのほかに、戸籍上の父が出生の届出を出したことを推察させる事情がなく、戸籍上の父が認知をしたと認められない、と判断しました。
(2)そもそも、婚姻関係の無効の判決が確定しており、当事者の意思に基づかない婚姻届けの提出があったことが推察されており、戸籍上では「出生父〇〇届出」と記載があるものの、それが、本当に戸籍上の父の意思によるものであったか、疑問が生じます。
(3)判例タイムズ1540号101頁によれば、子と戸籍上の父は一緒に暮らした記憶はないとのことであり、戸籍上の父が出生の届出を出したことを推察させる事情がない、と認定されても仕方がない。
3 嫡出でない子と父の親子関係存在の訴え
(1)嫡出でない子と父の親子関係存在の訴えが認められるには、①父の認知と、②生物学的な親子関係があることが必要です。
(2)しかし、①の認知が認めらず、親子関係存在の請求は認められない、と判断しました。
参考
判例タイムズ1540号101頁以下






