Q 個人事業主もしくは会社経営者の財産分与はどのように考えるべきか。
2026/03/28 更新
このページを印刷財産分与

財産分与は、離婚時において、離婚期間中に妻と夫の両者の協力によって得た財産を2分の1ずつに分ける制度です(清算的要素)。

個人事業主もしくは会社経営者の財産分与はどのように考えるべきですか!
個人事業主の事業用財産
(1)個人事業主の事業用財産は、財産分与の対象となります。
(2)もちろん、財産分の対象となるのは、結婚後に形成された財産(別居時の財産−同居時の財産=婚姻期間中に形成された財産)です。
財産の価格は、積極財産から消極財産(借入れその他の債務)を控除して計算される。
また、全額を財産分与とするのではなく、個人事業主の資格や能力によって貯蓄された分を考慮し、一定の割合のみを財産分与の対象としていくことになるでしょう。
参考
森公任ほか「2分の1ルールだけでは解決できない財産分与額算定・処理事例集」58頁
婚姻後に設立した会社の株式
(1)例えば、夫が中小企業の社長をしており、その会社は結婚後に夫が設立したものだったとする。
(2)非上場株式は①純資産方式、②配当還元方式、③類似業種批準方式、④収益還元方式等で計算することになります。
(3)法人の株式が対象財産となることはあっても、法人名義の財産は財産分与の対象とならないのが原則です。
(4)また、全額を財産分与とするのではなく、個人事業主の資格や能力によって貯蓄された分を考慮し、一定の割合のみを財産分与の対象としていく調整がありえます。
参考
松本哲泓「離婚に伴う財産分与-裁判官の視点にみる分与の実務」97頁、123頁
森公任ほか「2分の1ルールだけでは解決できない財産分与額算定・処理事例集」61頁
東京地裁平成14年10月25日
法人の財産であるが、会社財産と個人財産が区別されていないことから、法人名義の自動車について財産分与の対象となることを認めました。
(森公任ほか「2分の1ルールだけでは解決できない財産分与額算定・処理事例集」66頁)
家業の会社
(1)例えば、夫が中小企業の社長をしており、その会社(の株式)は夫が相続したものだったとする。
夫婦の会社に対する貢献は給与(役員報酬)として受け取るべきです。
(2)企業の業績から考えて、毎月の報酬が不当に低い等の事情がなければ、企業の株は、財産分与の対象にはなりません。
参考
松本哲泓「離婚に伴う財産分与-裁判官の視点にみる分与の実務」89頁
個人事業主もしくは会社経営者の財産分と割合
(1)個人事業主の事業用財産や、会社経営者の株式が財産分与の対象となるとしても、同人の資格や能力によって貯蓄された分を考慮して、2分の1のルールが修正されることがあります。
(2)「財産分与の対象となる範囲を8割として、その後に割合を2分の1」として訂正するものや、「財産分の対象とする財産について調整をせずに、割合を6対4」として調整することもあります。
参考
松本哲泓「離婚に伴う財産分与-裁判官の視点にみる分与の実務」72頁






