夫婦の一方が他方名義の預金を無断で引き出した場合、それが特有財産であったとき、または、婚姻生活に必要な額以上の金額を引き出したりしたとき、不法行為が成立する。
2026/04/29 更新
このページを印刷夫婦の一方が他方名義の預金を無断で引き出した場合
夫婦の一方が他方名義の預金を無断で引き出した場合、それが特有財産であったとき、または、婚姻生活に必要な額以上の金額を引き出したりしたとき、不法行為が成立する。
参考
判例タイムズ1542号45頁以下
解説
(1)夫婦の一方が他方名義の預金を無断で引き出した場合に、不法行為や不当利得が成立するかは、いろいろな見解の判例が対立している。
(2)夫婦間の問題であり、婚姻費用を考慮すべきとする説や、財産分与を考慮すべきとする説があります。
婚姻費用を考慮すべきとする説は、婚姻費用(生活費)の支払い相当額については、不法行為や不当利得の成立を否定する考え方です。
また、財産分与を考慮すべきとする説では、無断の引き出しについて持ち戻して、財産分与を計算して、持ち出し額を婚姻費用の先払いとして計算して考えればよい、とする考え方です。
(3)いずれの考え方であっても、例えば、夫婦の一方が他方名義の預金を無断で引き出した場合、それが特有財産であったとき、原則として不法行為が成立すると考えるのが妥当となります(判例タイムズ1542号53頁)
(4)結論として、「夫婦の一方が他方名義の預金を無断で引き出した場合、それが特有財産であったとき、または、婚姻生活に必要な額以上の金額を引き出したりしたとき、不法行為が成立する。」しかし、その損害額については、「婚姻費用としての清算」や、「財産分与としての清算」が考慮されることになるでしょう。
判例タイムズ1542号45頁
夫婦の一方が他方名義の預金を無断で引き出した場合の実務上の処理についてまとめられています。






