電子帳簿保存法(請求書がメールで送られ来てた場合①)
2023/12/18
請求書がメールで送られ来てた場合
令和6年1月1日より、請求書をメールで送ってもらう場合に、電子帳簿保存法の対策が必要になります(現在は猶予期間となります)。
電子帳簿保存法
(1)電子帳簿保存法は、税金関係でのデジタル化を加速させるために作られた法律です。請求書等をデジタルで保存する方法を定めた法律です。
(2)請求書をメールで送ってもらう場合に、①改ざん等ができない仕組みと、②これを検索できる仕組みが必要になります。
(3)なお、郵送されてきた請求書については、今まで通りの保存で構いません。
①改ざん等ができない仕組み
請求書がメールで送られ来た場合、添付ファイルそのものを後日、改変等することはできません。メールさえ消さなければこの要件を満たすことになります。
②検索できる仕組み
(1)問題になるのは、検索できる仕組みです。「取引年月日、取引先、取引金額」による検索ができる仕組みが必要になります。
(2)具体的な方法としては、請求書がメールで送られてきた場合について、これを受け取った者が①「取引年月日、取引先、取引金額」について、エクセル等の一覧表を作る方法、もしくは、②請求書をダウンロードして、そのデータの文書名に、「取引年月日、取引金額、取引先」を記載し、これらの請求書(のデータ)を一つのフォルダーで管理する方法が紹介されています。
国税庁のパンフレット「https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf」から引用
例
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_03.pdf
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/00023006-044_03-1.pdf
(3)なお、私見ですが、メールを受け取った日も記載しておいた方が良いでしょう。なぜなら、メールを受け取った日を記録しておけばメールを探せるからです。
(4)極端な意見としては、「メールで請求書を受け取ることを辞めて紙で送ってもらうべき。」という意見もあります。
(4)クラウドストレージ
請求書をクラウドストレージで送ってもらうことは認められなくなります。
クラウドストレージの場合、送り手の都合っでこれを削除することができてしまうからです。
小規模事業者の特例
(1)小規模事業主は、②検索できる仕組みは不要となっています。つまり、メールさえ消さなければこの要件を満たすことになります。
(2)小規模事業主とは、前々年度(法人は前々事業年度)を基準期間とし、この期間の売上高が1000万円いかである個人事業主もしくは法人のことをいいます。
次の記事 »
老後資金の計算