判例(不法行為の客観的消滅時効の20年の起算点について、アスベストにより悪性腫瘍が発生し、その後、死亡したケースでは、死亡時ではなく、悪性腫瘍が発生した時点が起算点となる。)
2026/02/27 更新
このページを印刷高松高判令和7年7月11日 判例タイムズ1540号91頁
不法行為の客観的消滅時効の20年の起算点について、アスベストにより悪性腫瘍が発生し、その後、死亡したケースでは、死亡時ではなく、悪性腫瘍が発生した時点が起算点となる。
解説
(1)不法行為の客観的消滅時効の20年の要件事実は、①加害行為から20年が経過したこと、②時効援用の意思表示をしたことです。
(2)民法724条2号は、「不法行為の時から」と規定していますが、これは、単純に「行為」の時ではなく、「結損害の発生」したときでもあります。
(3)本件では、「悪性腫瘍が悪化し死亡したケースではあるが、死亡により新たな損害が発生したわけではない。」として、悪性腫瘍が発生した時点が起算点となる、と判断されました。
| 民法724条 不法行為による損害賠償請求権の消滅時効 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。 二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。 民法724条の2 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。 |






