判例(宗教法人と信者との間で締結された不起訴の合意が公序良俗に反し無効であるとされた。宗教法人による献金勧誘行為が社会的相当な相当な範囲を超えれば、不法行為となる。)
2026/02/02 更新
このページを印刷最判令和6年7月11日
事案
(1)信者が10年間で1億円を超える多額の献金を行った。
(2)信者は、「これまでにした献金について、詐欺、脅迫、公序良俗違反を理由とする不当利得返還請求や、不不法行為に基づく損害賠償請求を裁判上及び裁判外において一切行わない。」という念書を作り、公証人の認証を受けた。
なお、この公証人の認証の手配は宗教法人が行った。
(3)信者は、当時80歳で、不起訴の合意をした半年後に後見相当と判断された。
(4)後見人が、多額の献金を問題として、返還請求訴訟を提起した。
その後、信者は無くなって相続人が訴訟を処刑している。
判決
1 不起訴の合意
(1)裁判を受けられる権利を奪われることになるので、不起訴の合意が有効であるかは、合意の内容や合意がされた経緯等を考慮して、公序良俗に反すれば無効となります。
(2)信者が当時80歳で、不起訴の合意をした半年後に後見相当と判断されていること、問題となっている献金が1億円であり、不起訴の合意が認められると不利益が大きいこと、不起訴の合意の文書について公証役場で認証をうけているが、その手配に宗教法人が深く関与していること、不起訴の合意の内容が何の見返りもなく、返金を求めないという内容になっていること等を考慮して、不起訴の合意は公序良俗に反すれば無効となります。
2 宗教法人による献金勧誘行為が不法行為にあたること
(1)宗教法人による献金勧誘行為が社会的相当な相当な範囲を超えれば、不法行為となります。
(2)本件について、社会的相当な範囲超えるか、控訴審でもう一度審理すべきであるとしました。
最判令和6年7月11日
判例タイムズ1526号67頁






