Q 優良誤認表示及び有利誤認表示に関する規制について教えて下さい。
2026/02/27 更新
このページを印刷優良誤認表示及び有利誤認表示に関する規制
(1)不当景品類及び不当表示防止法は、事業者が不当表示(優良誤認表示及び有利誤認表示)をすることを禁じています(同5条)。以下、不当表示という。
(2)不当表示に該当するかどうかを判断するために、消費者庁は事業者に合理的根拠資料の提出を求めることができます(7条2項)。
(3)合理的根拠資料の提出がないときには、当該表示は不当表示とみなされます(7条2項)。
(4)合理的根拠資料の提出がないときには、当該表示は不当表示と推定して(8条3項)して課徴金の納付を命じる (8条)
| 不当景品類及び不当表示防止法 5条 不当な表示の禁止 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの 二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの 三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの 7条 1項 内閣総理大臣は、第四条の規定による制限若しくは禁止又は第五条の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。その命令は、当該違反行為が既になくなつている場合においても、次に掲げる者に対し、することができる。 (以下省略) 2項 内閣総理大臣は、前項の規定による命令(以下「措置命令」という。)に関し、事業者がした表示が第五条第一号に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、同項の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。 (以下省略) 8条 課徴金納付命令 1項 事業者が、第五条の規定に違反する行為(同条第三号に該当する表示に係るものを除く。以下「課徴金対象行為」という。)をしたときは、内閣総理大臣は、当該事業者に対し、当該課徴金対象行為に係る課徴金対象期間に取引をした当該課徴金対象行為に係る商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額に百分の三を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし、当該事業者が当該課徴金対象行為をした期間を通じて当該課徴金対象行為に係る表示が次の各号のいずれかに該当することを知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠つた者でないと認められるとき、又はその額が百五十万円未満であるときは、その納付を命ずることができない。 (以下省略) |
合理的根拠資料
(1)不当表示に該当するかどうかを判断するために、消費者庁は事業者に合理的根拠資料の提出を求めることができます(7条2項)。
(2)「不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針-不実証広告規制に関する指針-」では、事業者から提出された資料が当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであると認められるためには、①提出資料が客観的に実証された内容のものであること、②表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していることの各要件を満たす必要があり、①の提出資料は、表示された具体的な効果、性能が事実であることを説明できるものでなければならず、そのためには,客観的に実証された内容のもの (試験・ 調査によって得られた結果、 または、 専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献のいずれかに該当するもの) である必要があり、消費者の体験談やモニターの意見等の実例を収集した調査結果を表示の裏付けとなる根拠として提出する場合には、無作為抽出法で相当数のサンプルを選定し、作為が生じないように考慮して行うなど、統計的に客観性が十分に確保されている必要があるとされています。
「相当の注意を怠った者でないと認められるとき」
(1)合理的根拠資料の提出がないときであっても、不当景品類及び不当表示防止法8条1項は、「相当の注意を怠った者でないと認められる」ときには、課徴金の納付を命じることができない、という規定もあります。
(2)もっとも、合理的根拠資料がない場合に、課徴金の納付を免れるのが限定的な場合に限られるでしょう。
東京高裁令和6年7月31日 判例タイムズ1540号69頁
(1)事業者は、「商品を摂取すると、クリアですっきり」という広告をしていた。
(2)一般消費者の立場からすると、目の見え方が良好な状態になると認識すると判断し、消費者庁は、優良誤認表示にあたる可能性があるとして、合理的根拠資料の提出を求めた。
(3)事業者が提出した試験結果(被験者について前後比較試験の方法を用いたもの)、モニターアンケートの結果は、いずれも本件商品に目の見え方を改善する効果があることを裏付けるものではなく、合理的根拠資料の要件をみたさない、とされた。
(4)事業者は、保健所や県の衛生薬務課に相談するなどしたほか新聞社の広告審査基準の審査及びJAROの確認を経たと主張したが、「相当の注意を怠った者でない」とはいえない。
したがって、事業者に対し、課徴金の納付を命じたことに違法はない、と判断されました。






