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カルテに「飲酒量:ビール毎日〇本」と多めの記載がある場合のアルコール性否定

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「カルテに『ビール毎日数本』など多めの飲酒量が記載されている場合、B型肝炎給付金は諦めるしかないですか?」
A 【アルコール性の否定は可能です】カルテの飲酒量はあくまで問診時の大雑把な記録であり、主治医意見書等によってB型肝炎ウイルスが病態の主因であると医学的に立証できれば、給付金を受け取ることができます。
【専門弁護士への相談が不可欠です】アルコール性肝障害との鑑別や正確な医学的意見書の取り付けには高度な専門知識が必要なため、B型肝炎訴訟に精通した弁護士に早めの相談・依頼をすることをおすすめします。

カルテの飲酒量記載がもたらす影響

B型肝炎訴訟(給付金請求)の手続きにおいて、カルテ(診療録)の記載内容は極めて重要です。中でも注意が必要なのが、問診時に医師へ伝えた「飲酒量」や「飲酒習慣」に関する記載です。

例えば、お酒を飲む機会が多い方が、医師からの「普段どのくらいお酒を飲みますか?」という質問に対し、大雑把に「毎日ビールを数本飲みます」「休日はたくさん飲みます」などと答えたとします。医師がその言葉をそのままカルテに記載した場合、国から「あなたの肝疾患(肝炎や肝硬変など)は、B型肝炎ウイルスが原因ではなく、長年の過度なアルコール摂取(アルコール性肝障害)が主たる原因ではないか」と指摘を受けるリスクが生じます。

B型肝炎の給付金は、B型肝炎ウイルスが原因で発症した肝疾患に対して支払われるものです。そのため、アルコールが主因であると判断されてしまうと、想定していた病態の認定が下りず、給付金を受け取れなくなるおそれがあるのです。

アルコールが主因ではないことの立証

給付金を受け取るためには、発症している肝疾患が「B型肝炎ウイルスによるもの」であることを証明しなければなりません。カルテに多量の飲酒歴が記載されているからといって直ちに諦める必要はありませんが、国からの厳しい指摘に対して、医学的かつ客観的な証拠をもって反論(立証)する必要があります。

単に「そんなに飲んでいません」と主張するだけでは不十分であり、専門的なアプローチが求められます。

主治医意見書を用いた効果的な反論

このようなケースで最も有効な反論手段のひとつが、現在の主治医や専門医に「意見書」を作成してもらうことです。

  1. 血液検査の数値(マーカー)による立証

    アルコール性肝障害とB型肝炎ウイルスによる肝障害では、血液検査における特定の数値(ASTやALT、γ-GTPのバランスなど)に違いが表れることが多くあります。専門医の意見書を通じて、「検査数値の推移やバランスから見て、アルコールではなくB型肝炎ウイルスが肝機能悪化の主たる原因である」という医学的な見解を示してもらいます。

  2. 肝生検(組織検査)の結果に基づく立証

    肝臓の組織を直接調べる検査(肝生検)を行っている場合、その組織像(細胞のダメージの受け方など)から、ウイルス性であるかアルコール性であるかを高い精度で鑑別できる場合があります。

  3. 実際の飲酒量との乖離の証明

    問診時の大雑把な回答と実際の飲酒量に大きな差があった場合、改めて正確な飲酒習慣(飲酒の頻度や種類、アルコール換算量など)を説明し、それが肝疾患の主因となるレベルではないことを医学的根拠とともに主張します。

医学的・法的な専門知識を持つ弁護士へ

カルテの飲酒量の記載を理由に国から疑義をかけられた場合、一般の方がご自身で医学的な反論を組み立てることは非常に困難です。必要な意見書を医師に依頼する際にも、どのようなポイントを押さえて書いてもらうべきかなど、専門的なノウハウが不可欠です。

B型肝炎訴訟に詳しい弁護士であれば、医師にどのような内容の意見書を依頼すれば国に対する有効な反論になるのかを熟知しており、医療機関との連携もスムーズに行うことができます。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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