判例(民法713条は、責任弁識能力を欠く場合には賠償責任を負わないとする。しかし、刑事事件で完全責任能力が認められ、かつ、事件の前後で合理的な行動をとっていることから、責任弁識能力を欠かない。)
2026/06/28 更新
このページを印刷横浜地判令和7年4月25日 判例タイムズ1544号209頁
1 事案
(1)Yは飲酒したうえで、歩行中の被害者Xに次々に衝突して障害を負わせた。
(2)Yは刑事事件で、責任能力を争ったが、刑事事件で、完全責任能力が認められた。
(3)民事事件では、Yは、責任能力がないとする医師の私的鑑定を提出した。
(4)被害者であるXは、民事事件に刑事記録を提出したが、新たなに医師の鑑定書を出すことはなかった。
2 判決
(1)Yは、責任弁識能力を欠くと主張した。しかし、刑事事件で完全責任能力が認められ、かつ、事件の前後で合理的な行動をとっていることから、責任弁識能力を欠かない。
(2)Yは、不法行為に基づく損害賠償義務を負うとされました。
3 解説
責任弁識能力については明確な基準はない。しかし、刑事事件で完全責任能力が認められているケースで、被告が責任弁識能力を争ってきたとしても、原告側でどこまでの立証が必要になるのか、参考になる判例です。






