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夕陽ヶ丘法律事務所ブログ

【インボイス制度】必要な対策(免税事業者)

2022/12/02

(消費税の)免税事業者

(1)一定期間の売上が一定以下であれば、消費税を納める必要がありません。この事業者を免税事業者といいます。
(2)免税事業者は適格請求書発行事業者になることもできます。その場合には、会計帳簿を作成して、消費税を納める必要があります。(現実的には、税理士に依頼することが必要になるかもしれません。)

令和5年3月末日までに、適格請求書発行事業者になるかを選択する

(1)免税事業者が適格請求書発行事業者になることを希望するのであれば、免税事業者は、令和5年3月末日までに、適格請求書発行事業者の登録が必要です。
(2)簡易課税を選択するのであれば、令和5年12月末日までに、簡易課税の手続きが必要になります。

適格請求書発行事業者になる場合

デメリット

(1)会計帳簿を作成して、消費税を納める必要があります。(現実的には、税理士に依頼することが必要になるかもしれません。)。
(2)消費税を納める負担だけでなく、税理士に依頼するとなれば、その費用も負担になります。


メリット

(1)免税事業者のままであれば、売り上げが少ないことを取引先に伝えることにもなりかねません。
 適格請求書発行事業者として請求書を発行することができますので、信用不安を防げます。
(2)取引先にとっても、適格請求書発行事業者として会計処理すればよくなります。取引先の経理処理の負担を軽減できます。

手続的負担

(1)請求書を出す側として
 消費税を納めている事業者になりますので、 請求書に登録番号等を記載しなければなりません。

(2)請求書を受け取る側として
(ア)簡易課税を選択しない場合には、受け取った請求書(の発行者が適格請求書発行事業者であるかどうか、)によって、控除できる消費税額が異なります。したがって、これらを分けて記帳することになります。
(イ)簡易課税を選択すれば、「売上×みなし仕入率×10%」で消費税を計算します。そのため、上記のような対応は不要です。

適格請求書発行事業者になる場合の注意点

(1)適格請求書発行事業者になる場合の経済的負担は大きいです。
(2)過去の制度も施行が延期になることも多く、インボイス制度(適格請求書保存方式)の施行も延期になる可能性もあります。
(3)そこで、適格請求書発行事業者になるかを選択するのは、令和5年3月末日ぎりぎりまで、待った方がよいかもしれません。

(適格請求書発行事業者になる場合)消費税の簡易課税

1 消費税の納付方法

(1)適格請求書行事業者になる場合には、消費税の計算方法を考える必要があります。
(2)簡易課税を選択するか検討しなければなりません。

2 簡易課税のメリット

(1)簡易課税を選択すれば、売上×割合×10%で消費税を計算します。
(2)業種ごとに上記の「割合」が異なります。支出のうち消費税のかかる支出(原材料の紫入)と、消費税のかからない支出(人件費)の割合と、簡易課税はの割合(みなし仕入率)を比べてれば、簡易課税の方が節税になることがあります。。
(3)簡易課税の選択をすれば、受け取った請求書について、その発行者が適格請求書発行事業者であるかどうかを判断しなくてよくなるなど、会計の事務負担を軽減できます。

3 事前届

(1)簡易課税を選択する場合には事前届が必要となるのが原則です。
(2)しかし、令和5年3月までに、適格請求書発行事業者の登録をした場合、個人事業主であれば令和5年12月31日までに手続をすれば簡易課税を選択できます(令和5年の特例)。
(3)令和5年3月までに、適格請求書発行事業者の登録をした場合、免税事業者の法人は、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中まで、簡易課税の選択ができます。例えば、3月決算法人なら、令和6年3月31日までです。
(4)つまり、令和5年に限って、年度ぎりぎりに、簡易課税の方が得かどうかを判断して選択することができます。

適格請求書発行事業者にならない場合


メリット
 今までどおり、消費税を納める必要がありません。

デメリット
(1)免税事業者のままであれば、売り上げが少ないことを取引先に伝えることにもなります。
(2)取引先の立場からすれば、免税事業者として別に会計処理する必要が出てくる可能性があります。

手続的負担

(1)請求書を出す側として
(ア)令和5年10月1日からは、取引先の立場としては、免税事業者に支払った消費税について、段階的に控除額が減額減額されていきます。
(イ)事実上、免税事業者は取引先に対し請求できる消費税も段階的に無くなっていきます。※1
 (詳しくは、下記の経過措置のとおりとなります。)

(2)請求書を受け取る側として
 免税事業者は消費税を納める必要がありません。特に、請求書を受け取る場合に特に対応は必要ありません。

(適格請求書発行事業者にならない場合の)経過措置


(1)令和5年10月1日からは、取引先の立場からすれば、「免税事業者に支払った消費税に、その全部又は一部が控除されなくなります。

(2)以下のように、 消費税の控除は段階的になくなります。

 令和5年10月1日から令和8年9月30日まで   80%

  令和8年10月1日から令和11年9月30日まで  50%

  令和9年10月1日から              0%

(3)つまり、免税事業者が取引先に請求できる消費税は上記の金額となります。※1

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