暴力団排除条項
2025/03/01 更新
暴力団排除条項
(1)暴力団排除条項は、契約書に記載される「暴力団(の関係者)とは契約しません。」という内容の条項です。
(2)どんな効力があるのか見てみましょう。
Q
暴力団排除条項とはどんな条項ですか。
A
例えば以下のような条項をいいます。
第○条(反社会的勢力の排除) 1 甲及び乙は,自己、自己の代理人又は自己の役員等が,次の各号のいずれにも該当しないことを表明し,かつ将来にわたっても該当しないことを確約する。 (1)暴力団、暴力団員、暴力団関係企業、総会屋若しくはこれらに準じる者(以下、「暴力団員等」等という。) (2)自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団員等を利用するなどした者 (3)暴力団員等に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなど、直接的若しくは積極的に暴力団員等の生計・その 運営に協力し、又は関与している者 (4)暴力団員等と同様に社会的に非難されるべき関係を有している者 2 甲または乙は,相手方が第1項の各号のいずれかに該当した場合には,何らの催告を要せずして,本契約を解除することができる。 3 前項の規定によりこの契約が解除された場合には,解除された者は,その相手方に対し,解除により生じた損害を賠償しなければならない。 4 前項の規定によりこの契約が解除された場合には,解除された者は,解除による損害について,その相手方に対し何らの請求もすることができない。 |
質問1
Q 暴力団排除条項を入れることは義務ですか。 A (1)暴力団排除条項を入れることは、全国の暴力団排除条例に努力義務として規定されています。 (2)特に、銀行、証券、保険、自動車、OA機器、不動産業界、建設業界、施設利用業界では、業界として暴力団の排除に取り組んでおり、同業界の契約書では暴力団排除条項を入れることが必要です。 (3)また、上場会社、許認可等のコンプラが要請されている企業では暴力団排除条項を入れることが必要です。 |
質問2
Q 暴力団排除条項を入れていないと、暴力団の契約をできないのですか。 A (1)いいえ。 (2)暴力団排除条項が入っていなくても、暴力団排除条例がにおいて暴力団等の活動を助長するような取引を禁止しています。したがって、暴力団排除条例に違反する取引に該当する場合には、その契約を解除できます。 |
質問3
Q 暴力団排除条例において禁止されている暴力団等との取引は、どのような取引ですか。 A(1)暴力団排除条例では、暴力団等の活動を助長するような、以下の取引が禁止されています。 ◯内装業者が、暴力団事務所であることを認識した上で、対立抗争に備えて壁に鉄板を補強するなどの工事を行う行為◯ホテルが、暴力団組長の襲名披露パーティーに使われることを知って、ホテルの宴会場を貸し出す行為 ◯ 警備会社が、暴力団事務所であることを知った上で、その事務所の警備サービスを提供する行為 ◯不動産業者が、暴力団事務所として使われることを知った上で、不動産を売却、賃貸する行為 ◯ゴルフ場が、暴力団が主催していることを知って、ゴルフコンペ等を開催させる行為 ◯興行を行う事業者が、相手方が暴力団組織を誇示することを目的としていることを知った上で、その暴力団員らに対し、特別に観覧席を用意する行為 ◯飲食店が、暴力団員から、組の運営資金になることを知りながら、進んで物品を購入したり、サービスを受けて、その者に料金を支払う行為 (2)暴力団排除条例の違反となった場合には、公表処分を受けたり許認可上の不利益を受けたりする可能性があります。 (3)なお、以下のように、暴力団等と知らず取引した場合には、条例違反になりません。 ◯レンタカー業者が会合のための送迎用に使用するとの説明を受けてマイクロバスを貸したところ、貸与した相手が暴力団員であることが後から判明した場合 ◯飲食店が個人的に使用すると思い暴力団員に個室を貸したところ、結果的に組織の会合として使用されてしまった場合 |
質問4
Q 取引相手が暴力団関係者であるのかどうやって確認すればいいのですか。 A (1)警察署、暴力団追放運動推進都民センターに相談くだされば、取引相手が暴力団関係者かどうか回答下さる場合があります。 (2)なお、回答を頂くには、取引相手が暴力団関係者であると疑った理由や、なぜ照会が必要なのかを証明する資料が必要になります。 |