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予防法務

判例(生命共済契約の約款に暴力団排除条項が入っている場合に、共済金の受取人が暴力団関係者であったことから、生命共済契約の解除が有効とされ、共済金の不支給が有効である、と判断しました。)

2025/03/01 更新

事例

(1)生命共済契約の契約期間は、基本的には1年ごと、となっています。

(2)平成17年5月、女性は、自身を加入者として生命共済を締結した。

 女性が死亡した場合の共済金は、加入者の配偶者(夫)等が受け取れるとなっていた。

(3)平成26年、保険会社(正確には、生協)は生命共済契約の約款に、「共済契約者もしくは共済金受取人が、暴力団関係者(暴力団でなくなった日から5年を経過しない者を含む)であった場合には、生命共済契約を解除でき、共済金の支払いを拒むことができる。」という暴力団排除条項を加えた。

(4)令和4年6月、女性が死亡した。

(5)原告(控訴人)が、女性の配偶者(共済金受取人)として、共済金を請求した。

(6)原告(控訴人)は、女性の死亡の前後を通じて、暴力団の構成員であった。

(7)保険会社(正確には、生協)は生命共済契約の約款に基づいて、生命共済契約を解除し、共済金の支払いを拒んだ。

判例

 判決は、「生命共済契約の約款に暴力団排除条項が入っている場合に、共済金の受取人が暴力団関係者であったことから、生命共済契約の解除が有効とされ、共済金の不支給が有効である。」と判断しました。

 広島高判令和6年10月4日

 判例タイムズ1528号59頁以下

解説

(1)生命共済契約の契約期間は、基本的には1年ごと、となっています。

(2)本件で、生命共済契約の約款に暴力団排除条項が入ったのは、保障開始日の後になります。しかし、生命共済契約は、毎年新しい契約を締結したことになりますので、契約後の不利益変更にはなりません。

(3)生命共済契約等において、「共済契約者もしくは共済金受取人が、暴力団関係者である。」ことは、お互いの信頼関係を大きく損なう事実であるとして、暴力団排除条項による解除を認めました。

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