民事訴訟

Q 訴えの取下げについて教えて下さい。

2026/08/23 更新

訴えの取下げ

(1)訴えの取下げをすると、訴訟を提起しなかったことになります(261条1項)。

(2)訴えの取下げをすれば、原告は再度訴えを提起できる。今までの訴訟活動がなかったことになるので、相手型が書面を出した後等に、訴えを取り下げるのは、被告の同意が必要となります(261条2項)。

民事訴訟法261条(訴えの取下げ)
1項 訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
2項 訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
3項 訴えの取下げは、書面でしなければならない。ただし、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)においては、口頭ですることを妨げない。
 (省略)

民事訴訟法262条(訴えの取下げの効果)
1項 訴訟は、訴えの取下げがあった部分については、初めから係属していなかったものとみなす。
2項 本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない

訴えの取下げと同意

(1)訴えの取下げは、取り下げについて書面を裁判所に提出して行うことが多い。まずは、被告の弁護士事務所に同意書を送ってこれに押印してもらって返信してもらう。この同意書を取得した後に、その同意書と一緒に、訴えの取下げ書面を裁判所に送って取り下げの手続きを行う。

 訴えの取下げ書面を裁判所に提出して行う場合には、条文上は裁判所に出せば足りる。しかし、訴えの取下書を提出したことを相手方にも知らせるために、それを相手方にFAXすることが多い(裁判所から、訴えの取下げ書を相手方にもFAXしてほしい、と言われて、これをFAXすることもある)。

(2)準備時間がないときには、裁判所と被告代理人と調整の上で、期日にて、原告代理人が「訴えを取り下げる」と口頭で述べ、被告代理人が「同意する。」と口頭で回答し、公判期日のやり取りで全ての手続を終わらせることもできます(261条3項)。

訴えの取下げの効果

第一審での取下げ
 第一審で訴えの取下げをした場合には、訴えの利益が認められる限り、再度の訴え提起は可能である。(民事訴訟法262条1項)。


控訴審での取下げ

最判昭和52年7月19日民集31巻4号693頁
 控訴審後に訴えの取下げをした場合、再度の訴えはできないのが原則である(民事訴訟法262条2項)。しかし、民事訴訟法262条の2項の趣旨を同一紛争をむし返しの防止である。
(2)新たな訴えの利益が認められる場合には再訴することができる。(民事訴訟法判例百選(第6版)249頁)

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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