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予防法務

Q 個人情報保護法に基づいて、死者情報の開示請求はどこまで認められますか。

2026/03/26 更新

個人情報保護法と死者の情報

(1)個人情報保護法は、文言上、「生きている個人の情報」だけを保護の対象としてきた(個人情報保護法2条1項)。

(2)もっとも、判例は、相続人の権利との関係で必要性が高い死者の個人情報について開示を認めてきた。

個人情報の保護に関する法律2条 (定義)
1項  この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
(以下、省略)

最判平成31年3月18日集民261号195頁 

(1)開示請求者が金融機関に対し亡母の銀行の届出印の印影について個人情報保護法に基づき開 示請求をした。

  亡母の届出印 の印影情報は開示請求者の「個人に関する情 報」には該当しないとして開示請求を認めな かった。 

(2)個人情報保護法は、文言上は「生きている個人の情報」だけを保護の対象としいる(個人情報保護法2条1項)ところ、相続人の権利との関係で必要性が高い死者の個人情報についても、個人情報保護法により開示請求が認められると判示した。

(3)金融機関からすれば、亡母の銀行の届出印の印影については、相続人の相続財産の行使と関連性が低いとした。個人情報保護法で守られるとすれば、金融機関に相応の負担を強いるものであり、開示義務者とのバランスをとったものと思われます。

東京地判令和6年11月14日判夕1535号192頁
(1)拘置所に在監していた際に原因不詳により死亡した死者の遺族が、個人情報保護法に基づいて、拘置所が保有する診療録等の個人情報の開示請求をした。
(2)遺族としては、慰謝料請求等の重要な証拠になりえるとして、診療記録等の開示を認めました。

大阪地判令和元年6月5日判夕1470号104頁
(1)アスベスト被害による死亡した死者の遺族が、国に対し国家賠償請求訴訟を提起して 和解金等を請求できるか検討するために、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律 (個人情報保護法への統合前のもの)に基づいて労働局長に対して遺族給付等に関する調査結果復命書等の情報の開示請求をした。

(2)遺族としては、損害賠償請求できるか、その要件を満たすかを確認するための重要な証拠になりえるとして、調査結果復命書等の開示を認めました。

鳥取地判令和3年2月12日判例秘書L07651357
(1)鳥取県個人情報保護条例に基づき、遺族が、その父が死亡した際に警察が死因を調査した内容が記載された書面の開示を請求した。
(2)警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律(以下「死因・身元調査法」という。)の解釈とし 同法に基づく調査結果は、 遺族等の不安の緩和、解消を目的として行われている側面があり、かつ、 その調査、検査の結果は、 遺族等に適切に説明されることが求められているとする。 
(3)死因・身元調査法に基づく調査結果に関する情報は、「当該遺族が当該死者の死亡について不安を抱くとは考え難い事情が存在することが客観的に明らかであるなどの特段の事情がない限りは、 死者の遺族の個人情報になる」として、死因・身元調査法に基づく調査、検査の結果の開示を認めた。

参考

 自由と正義2026年3月号52頁以下


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