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予防法務

判例(孤立させた就業環境に置かれたこと等について、ハラスメントとして違法であるとされて、慰謝料等110万円が認められた。)

2026/03/29 更新

名古屋高判令和6年10月3日判例タイムズ1541号90頁

1 判決

 以下のような事情が認定されて、ハラスメントとして違法であるとされて、慰謝料等110万円が認められた。

無期であるのに有期契約であるとの同意書に署名させた

(1)Xを助教授として採用するときに、任期の説明をしなかった。

(2)大学の任期に関する規定であれば、助教授について任期を定めることができなかった。

(3)しかし、大学法人(以下、大学)は、Xに対し5年を任期とすることの同意書に署名させた。

(4)その後、これが問題となって、大学は同意書を破棄した。

②孤立させた就業環境に置いたこと

(1)Xが他の指導担当と折り合いが悪かったことが原因で、Xの意向を確認することなく、指導担当を外された。

(2)指導担当を外されたことで、Xに対し、卒業論文発表の案内が2年間、送られなかった。

(3)Xとの話し合いをなく、指導担当の職を解き、大学内の連絡を送らなかったことは、Xを孤立させた就業環境に置いたことにあたる。

③院生用研究室

(1)他の教授には、院生用研究室が割り当てられていた。

(2)しかし、Xにだけ、院生用の研修室が割り当てられなかった。

2 カメラ

(1)地震防災の対策として、カメラが設置されており、そのカメラは本来別の建物を撮影する目的であったが、Xの執務室も撮影対処の範囲に入っていた。

(2)Xがこれに気づいてカメラの方向を変更させた。

(3)判決では、カメラでの撮影についてXに説明もなく、これはプライバシー侵害となるが、訴えを提起するまで3年が経過するので、カメラを理由とするプライバシー侵害については消滅時効が成立する、とされました。

3 調査報告書

(1)本件では、Xがハラスメントであると申告し、大学が第三者に調査を依頼して、大学の対応が不適切でハラスメントに該当するとの調査報告書が作られた。

(2)その後、Xが訴訟を提起したところ、大学は再度の調査をして、ハラスメントに該当しないという調査結果が作成されている。

(3)判決では、再度の調査結果は、事件より数年を経た上で作成されているうえに、作成経緯からしても、ハラスメントを否定する目的で作成されており、信用できないととしました。

名古屋高判令和6年10月3日

判例タイムズ1541号90頁

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