【重要判例】判例(独立当事者参加の権利主張参加の要件)
2026/04/19 更新
最判平成6年9月27日判時 1513号111頁
「参加の制度は、同一の権利関係について、原告、被告及び参加人の三者が互いに相争う紛争を一の訴訟手続によって、一挙に矛盾なく解決しようとする訴訟形態であって、一の判決により訴訟の目的となった権利関係を全員につき合一に確定することを目的とするものであるところ・・・・・・・ Zの本件参加の申出は、本件土地・・・・・・の所有権の所在の確定を求める申立てを含むものではないので、X、 Y及びZの間において右各所有権の帰属が一の判決によって合一に確定されることはなく、また、他に合一に確定されるべき権利関係が訴訟の目的とはなっていない」。
二重譲渡
1 二重譲渡と独立当事者参加(権利主張参加)
(1)YがXとZに、不動産を二重譲渡した。 X ← Y → Z
(2)Xが売買契約に基づいてYに対し所有権移転登記請求をした。
(3)Zが売買契約に基づいてYに対し所有権移転登記請求をして、XとYの訴訟に独立当事者参加できるか。
2 議論
(1)独立当事者参加の権利主張参加には、「訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する」ことが必要です(民事訴訟法47条1項後段)。具体的には、第三者の請求と原告の請求(本訴請求)が論理的に両立しえない関係にある場合に認められます。
(2)XとZの所有権は両立しないので、一物一権主義により両立しない、という考え方もあります。
(3)実体法上の解釈としては、XもZもYに対し所有権を主張できるので、両請求は両立する、という考え方もあります。
解説
(1)平成6年最判は、「実体法上の解釈としては、XもZもYに対し所有権を主張できるので、両請求は両立する。」したがって、Zは独立当事者参加(権利主張参加)できない。
(2)しかし、「仮に、ZがYに対し所有権の確認の訴えを提起していれば、両請求は両立しないとして、独立当事者参加できた。」という考え方を示した判例と理解されています。
| (1)上記の見解に以下のような批判もあります。 (2)まず、「YがXとZに、不動産を二重譲渡した。 X ← Y → Z」という二重譲渡の事案では、XとZも相手方に対し排他的な所有権を主張し得ないので、ZがYに対し所有権の確認の訴えを提起することは考えられません。 (3)次に、「実体法上の解釈としては、XもZもYに対し所有権を主張できるので、両請求は両立する。」、という考え方が素直であり、民事訴訟上の観点(合一確定)の必要性から、実体法上の解釈を変更すべきではない、という考え方もあります。 参考 田中豊 「論点精解 民事訴訟法〔改訂増補版〕」 383頁 |
参考
山本和彦「Law Practice民事訴訟法〔第5版〕」358頁






