Q 反対尋問を経ていない供述の証拠能力は認められますか。
2026/04/26 更新
刑事訴訟法との違い
(1)刑事訴訟法では反対尋問権が保障され、伝聞証拠の証拠能力が原則として否定されます。
(2)民事訴訟法では、伝聞証拠を禁止する規定がありません。しかし、反対尋問が実施されなかった理由が当事者または証人による妨害であったり、違法に反対尋問権が侵害された場合には、当事者の公平(訴訟における信義則・民事訴訟法2条)から、反対尋問の機会がなかった供述について証拠能力を否定すべきとされます。
最判昭和32年2月8日民集11巻2号258頁
当事者本人に対する尋問について、立会医師の勧告により途中で打ち切られ、当該本人の病状のゆえに再尋問の措置がとられなかった時間で、反対尋問の機会がなかった供述に証拠能力を認めてよいとされました。
| 反対尋問が実施されなかった理由が当事者または証人による妨害であったり、違法に反対尋問権が侵害された場合には、当事者の公平(訴訟における信義則)から、反対尋問の機会がなかった供述について証拠能力を否定すべきとされます。 |
証人尋問請求されなかった陳述書
(1)当事者又は第三者の陳述を記載された文書が陳述書として提出されることがあります。しかし、この文書について、当事者が本人尋問・証人尋問を求めているにもかからず、不出等により尋問が実施されなかった場合には、「反対尋問が実施されなかった理由が当事者または証人による妨害」にあたり、この文書の証拠能力を否定すべきといされています。とされます。(田中豊 「論点精解 民事訴訟法〔改訂増補版〕」 224頁)
(2)作成者について尋問しなかった陳述書については原則として信用性を否定すべきという見解もあります。
参考
田中豊 「論点精解 民事訴訟法〔改訂増補版〕」 224頁






