Q 違法に収集された証拠の証拠能力は認められますか。
2026/04/26 更新
刑事訴訟法との違い
(1)刑事訴訟法では違法に収集した証拠の証拠能力が原則として否定されます。
(2)民事訴訟法では、違法に収集した証拠の証拠能力を否定する規定がありません。しかし、当事者には誠実な訴訟活動が求められ(訴訟における信義則・民事訴訟法2条)、違法は証拠収集は許されず、違法な証拠は証拠能力が否定される。
判例と違法収集証拠
(1)民事訴訟において、違法収集証拠の証拠能力に争われた最高裁判決はない。
(2)下級審では、人権侵害もしくは社会的相当性の程度や、証拠の重要性や、事案の公共性も考慮するものがあります。
参考
山本和彦「Law Practice民事訴訟法〔第5版〕」204頁
秘密録音
対立が明確になった時点にて、当事者の話し合いの様子を録音することは、相手方は外部にその発言を示しており、その内容は少なくとも後日メモ等で記録されることは予定しており、録音することも許される。
評議の秘密
セクハラ委員会での審議の内容の録音が問題となった。これを録音することは、委員会での自由な発言を阻害するものであり、証拠能力が否定された(東京高判平成28年5月19日、民事訴訟法判例百選(第6版)132頁)。
プライバシー(人格権)の侵害
休憩室の音声を拾った録音は、プライバシー(人格権)の侵害となる。
客観性を欠く証拠
酒を飲ませて有利な供述を誘導した秘密録音は社会的相当性が問題となる(昭和52年7月15日判時867号60頁)。
犯罪
盗まれた証拠は、これを認めれば犯罪を助長する(神戸地判昭和59年5月18日判時1135号140頁)。
参考
田中豊 「論点精解 民事訴訟法〔改訂増補版〕」 225頁






