判例(亡き母が刑務所に受けたいじめについての情報の開示を求めたが、遺族は国等に対する損害賠償請求の可能性があると主張するに留まるのであれば、個人情報保護法による(死者情報の)開示請求は認められない。
2026/06/27 更新
個人情報保護法と死者の情報
(1)個人情報保護法は、文言上、「生きている個人の情報」だけを保護の対象としてきた(個人情報保護法2条1項)。
(2)もっとも、判例は、遺族が主張するで損害賠償請求と密接に関連する情報について、個人情報保護法に基づいて死者の情報を開示を認めてきました(判例タイムズ1544号25頁)。
| 個人情報の保護に関する法律2条 (定義) 1項 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。 (以下、省略) |
最判令和8年2月20日 判例タイムズ1544号23頁
亡き母が刑務所に受けたいじめについての情報の開示を求めたが、遺族は国等に対する損害賠償請求の可能性があると主張するに留まるのであれば、個人情報保護法による(死者情報の)開示請求は認められない。
解説
(1)判例は、遺族が主張するで損害賠償請求と密接に関連する情報について、個人情報保護法に基づいて死者の情報を開示を認めてきました(判例タイムズ1544号25頁)
(2)本件では、遺族が亡母又は国に対する損害賠償請求の可能性があると主張するにとどまっていたことから、の個人情報保護法による(死者情報の)開示請求が否定されました。
(3)遺族の個人情報を広く認めるという考え方については、死亡後に自らのブライバシーが他者に開示されることを望まない本人の利益を害するという考え方もあります。
どこかで、バランスをとる必要があります。個別法で開示が認められている場合にはその法律に基づいて開示が認められます。これに対して、具体的な法律がない分野については、「遺族の具体的な権利と密接に関連する情報について、死者の個人情報の開示が認められる。」という考え方がとたれたものと思われます。






