妊娠・出産・育児休業に関するハラスメントの基礎知識
2021/06/07
労働施策総合推進法
労働施策総合推進法は、会社に対し、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの防止対策をすることを義務付けています。
職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント の定義
職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントは、職場において⾏われる ①上司、同僚からの言動により妊娠・出産した女性社員や、育児休業を申請・取得した社員の就業環境が害されることをいいます。
以下、本ハラスメントといいます。
会社の義務(制度としての義務)
会社は以下の義務を負います。
〇会社は本ハラスメントの内容、その禁止、仮に違反した場合(妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントをした場合)には処分をすることなど、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントに対する会社の方針を従業員に周知しなければなりません。具体的には就業規則を規定したり、社内報でこれらについて記載したりするなどして従業員に周知しなければなりません。
〇社員が本ハラスメント被害にあったら、どこに相談するべきなのか、相談先を決めて、従業員に周知しなければなりません。
〇 本ハラスメント 防止のための社員教育が必要です。
セクハラの相談があった場合にこれに対応する相談窓口(を担当する社員)の社員教育が必要です。
〇研修による予防、定期的なアンケートによる早期発見のシステムを構築する必要があります。
〇本ハラスメント 防止のための社員教育や、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの相談があった場合にこれに対応する相談窓口(を担当する社員)の社員教育が必要です。
会社の義務(相談があった場合の適切な対応)
〇相談窓口に本ハラスメントの申告があれば、適切に調査し確認しなければなりません。
〇本ハラスメントが事実であること確認できた場合には、被害者のへの対応、加害者の処分、再発防止策を行わなければなりません。
会社のリスク
(1)労働施策総合推進法は、厚生労働大臣は会社に対し必要な指導・勧告を行うことができ、会社かこれに従わない場合は企業名を公表することができるとされています。
(2)また、会社は適切な対応をとっていなければ(妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントを含みこれに限られない)従業員の不法行為について、使用者責任を問われ、民事上の賠償責任を負う可能性があります。
社員の退職リスク・ダイバーシティー
(1)社風の雰囲気が悪くなれば、社員が退職してしまいます。社員の採用・育成には膨大なコストがかかります。退職を一つ減らすことは一人採用するよりも重要なことです。
(2)女性や、妊娠・出産・育児中もしくは経験した社員等の意見を積極的に活用することで、より視野を広げた事業展開が可能になります。
したがって、ダイバーシティとして、会社がどの程度本気で取り組みのか、経営者と相談することが必要です。
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