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民事訴訟

【重要判例】判例(訴訟告知において、被告知者が、告知者ではなく、相手方に補助参加した場合)

2026/04/19 更新

仙台高判昭和55年1月28日高民集33巻1号1頁

1 事案

(1)XからAに対する売買契約に基づく登記移転請求訴訟(前訴)で、Xは、「XとAの売買契約はYを代理人とする無権代理である。」との主張した。XはYに対し「Yが無権代理であれば損害賠償請求を行使するつもりである。」として、Yに訴訟告知をした事案で、Yは代理権の存在を主張する点では、Aと利害が一致するとして、Aの側に補助参加した。

(2)裁判所は、代理権授与を認定することは困難であるが、表見代理人が認められるとしてXの請求を棄却する判決をしました。

(3)XはYに対し損害賠償請求をしました。Xは、前訴における訴訟告知の効力として、Xが代理権が存在すると主張することは許されないと主張した。

2 問題点

(1)被告知者が、実際に訴訟に補助参加した場合には、補助参加としての参加的効力が問題となっても、「訴訟告知に基づく参加的効力」は及ばない。
(2)これに対して、被告知者が、告知者ではなく、相手方に補助参加した場合には、補助参加としての参加的効力がどうなるか。

3 判決の判断

(1)「訴訟告知の制度は、告知者が被告知者に訴訟参加をする機会を与えることにより、被告知者との間に告知の効果(旧民訴法78条(民事訴訟法53条4項)を取得することを目的とする制度であり、告知者に対し、同人が係属中の訴訟において敗訴した場合には、後日被告知者との間に提起される訴訟において同一争点につき別異の認定判断がなされないことを保障するものである。したがって、旧民訴76条(民事訴訟法53条1項) にいう『参加をなしうる第三者』に該当する者であるか否かは、当該第三者の利益を基準として判定されるべきではなく、告知者の主観的利益を基準として判定されるべきである。」

(2)判決は、上記のように述べて「訴訟告知に基づく参加的効力」を認めました。

解説

1 補助参加の利益

(1)理論的には、Yは、「取引に関与していない。代理行為をしていない。」としてXに補助参加する選択肢もあった。

(2)その場合には、Xが敗訴し、XとYに代理が成立する場合には、XはYに対し代理で受け取った代金等の請求を受ける可能性があり、補助参加の利益も存在した。

2 被告知者が、告知者に補助参加した場合

(2)仮に、YがXに補助参加していたとすれば、代理権の授与についてのYの主張はXの主張と抵触して効力を有しない(民事訴訟法45条2項)はずであるから、参加的効力の除外事由に該当する(民事訴訟法46条2項)。

 したがって、上記の結論を、「訴訟告知に基づく参加的効力」として正当化することはできない、と学説の批判があります。

3 結論の妥当性

(1)Yは前訴で、補助参加したさいに、代理権の授与について争っています。したがって、二度、同じ論点について反論の機会を与える必要はない。結論は妥当であるという考え方もあるかもしれません。

(2)これに対しても、、前訴では、表見代理が認定されている。裁判所は有権代理を認定せずとも、少なくとも表見代理を認定したにすぎず、無権代理であるかについて、十分な審理をしていない(せずに判断をしている。)という見方もできます。

参考

 長谷部由起子「基本判例から民事訴訟法を学ぶ」284頁から286頁

 名津井吉裕ほか「事例で考える民事訴訟法 」390頁

 高橋宏志「重点講義 民事訴訟法(下) 第2版補訂版」483頁以下

 

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