Q 会社が従業員から定期健康診断の結果を受け取るにはどのような手続が必要ですか。
2026/07/26 更新
1 会社の義務
(1)労働安全衛生法は、事業者に 対して、労働者への健康診断の実施を義務付け(66条1以降)、その結果について記録を作成し、保管することも義務付けています(安衛則51条)。
(2)会社は、従業員から、定期健康診断の結果のうち、法令の項目についてその結果を保存する義務を負います。
(3)しかし、健康診断書の内容は要配慮個人情報です(個人情報保護法2条3項)。
会社が会社が従業員から定期健康診断の結果を受け取るにはどのような手続が必要でしょうか。
2 健康診断の結果と個人情報保護法
(1)健康診断書の内容は要配慮個人情報です(個人情報保護法2条3項)。
(2)要配慮個人情報の取得には、原則として本人の同意が必要です(個人情報保護法20条2項)。しかし、健康診断結果の取得は法律(労働安全衛生法)の定めがあるために、本人の同意が不要となります。
もっとも、定期健康診断の結果のうち法定の項目ではない診断結果については、本人の同意が必要です。
| 胃・食道検査: 胃カメラ(内視鏡)や胃バリウム、ピロリ菌検査 大腸検査: 便潜血反応検査、大腸カメラ 腫瘍マーカー検査: がんの早期発見の指標となる血液検査(CEA, AFP, CA19-9など) 甲状腺検査: TSH, FT3, FT4などの血液検査 肺機能検査: スパイロメーター(肺活量や呼吸のしやすさの測定) 眼底検査・眼圧検査: 緑内障や網膜症などのリスク確認 腹部超音波(エコー)検査: 肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などの臓器の形態確認 頸動脈超音波検査: 動脈硬化の進行度やプラークの有無 |
3 定期健康診断の結果のうち法定の項目ではない診断結果と、本人の同意
(1)定期健康診断の結果のうち法定の項目ではない診断結果について、会社が取得するためには、本人の同意が必要です。
(2)本人から書面で同意書を取得する以外の方法として、「事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き」によれば、労使で十分に話し合いのうえ、就業規則に健康情報等の取扱いに関する規程を盛り込み、労働者に周知している場合には、労働者本人が当該健康情報等を提出したことをもって、労働者本人からの同意があったとすることができる、とされていいます。
参考
ビジネスガイド2026年6月号105頁




