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予防法務

Q 個人事業主が、マイクル法人の役員になれば、社会保険を節約できるのですか。これは合法ですか。

2026/04/06 更新

法人(会社)の役員と社会保険の関係

1 社会保険への加入

(1)法人の役員とは、法人登記上、「役員」と登記されている人をいいます。

(2)代表取締役もしくは、常勤の役員になれば、報酬を0円としない限り、社会保険(厚生年金と健康保険)に加入できます。

2 勤務時間の問題

(1)代表取締役と常勤の役員は、勤務時間に関係なく、社会保険(厚生年金と健康保険)に加入できます。

(2)これに対して、従業員の場合には、原則として1週間で30時間以上の勤務時間がないと社会保険(厚生年金と健康保険)に加入できません。

(1)一般的には、社会保険の加入者は、「1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上」となっています。
(2)正社員が週40時間(1日8時間×5日)が原則だとすれば、4分の3を満たすには、1週間で30時間以上の勤務時間が必要になります。

社会保険の節約スキーム

1 社会保険の節約スキーム

(1)例えば、収入が2000万円、経費が1000万円で、所得が1000万円の個人事業主がいるとします。

 収入2000万円−経費1000万円=所得1000万円となります。

 この場合、社会保険(厚生年金と健康保険)は、所得が1000万円であることを前提に計算されます。

(2)次に、2000万円の収入のうち、200万円を法人名義で請求書を出したとします。

 そして、法人から、100万円の役員報酬を受け取ったとします。

 この場合に、個人事業主としての所得が900万円、法人の役員としての所得が100万円だとします。

 この場合、社会保険(厚生年金と健康保険)は、所得が100万円であることを前提に計算されます。

(3)理屈としては、社会保険の計算上、個人事業主の収入と、給与(もしくは役員報酬)がある場合には、「給与(もしくは役員報酬)」だけで社会保険を計算するというルールがあるからです。

(4)所得が1000万円以上あるような個人事業主は、その売り上げの一部を法人名で請求書を出して、その法人から定額の報酬を受け取る形をとれば、社会保険(厚生年金と健康保険)が大幅に減るというスキームです。

2 法人の役員であることが必要

(1)上記のスキームを利用するには、法人の役員であることが通常必要です。(短時間正社員制度を利用することもありえるかもしれない。)

(2)まず、代表取締役と常勤の役員は、勤務時間に関係なく、社会保険(厚生年金と健康保険)に加入できます。

(3)これに対して、従業員の場合には、原則として1週間で30時間以上の勤務時間がないと社会保険(厚生年金と健康保険)に加入できないからです。

3 所得税の節約はできない

(1)このスキームで大きく節約できるのは、社会保険(厚生年金と健康保険)のみです。

(2)所得税については、確定申告によって、「個人事業主の収入と、給与(もしくは役員報酬)」の合計額で申告するがあるため、所得税の節約はできません。がある場合には、「給与(もしくは役員報酬)」だけで社会保険を計算するというルールがあるからです。

マイクロ法人の社会保険料の節約スキームは合法ですか。

(1)令和8年(2026年)3月18日、厚生労働省から「法人の役員である個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて」(保保発0318第1号/年管管発0318第1号)が発出されました。

(2)これは、役員の実態のない人が低額の報酬を受け取って、社会保険を節約することを防ぐものです。

(3)これに対して、マイクロ法人スキームでは、全国健康保険協会・健康保険組合・日本年金機構を宛先とするこの通達は、「社会保険料削減スキーム」「国保逃れスキーム」と呼ばれる行為に対し、行政として明確な歯止めをかけるものです。

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