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夕陽ヶ丘法律事務所ブログ

相談者のヒアリングのポイント(ハラスメント調査)

2022/06/18

「相談者の気づき」を支援

(1)相談者からハラスメントの申告があったが、相談者に落ち度が大きく、調査をすることが不適切な場合があります。
(2)パワハラの多くでは、相談者にも極端に覚えが悪く、加害者の指導に行き過ぎである疑いが残るが、指導の範疇であるともいえるグレーゾーンも多いです。
(3)そのような場合には、調査という形ではなく、カウンセリングやコーチング等を通じた相談者の思考を変える形での支援が必要になってきます。
(4)以下の過程を経れば、ハラスメントの調査と同時に、「相談者の気づき」の支援も行えます。

相談者が理不尽な考えを持っていても、まずは受け止めましょう。

(1)人は、それぞれ違う考え方を持っています。したがって、その考え方を否定せずに、受け止めてあげることが必要です。
 例えば、自分勝手な人がいます。その人は職場でも孤立していきます。第三者から見れば、自業自得かもしれません。しかし、その人が孤立し、そのことで傷付いていることは事実です。

(2)「なるほど、遅刻してきたのは事実だけど、第三者の前で何時間も説教するのは許せなかったんですよね。」(事実確認すると、説教時間は、2,3分だった。)と、相談者の思いを受け止めましょう。

相談者の話を時系列にそって整理するために、しっかりと質問をしましょう。

(1)「ちょっと待ってくださいね。先ほど、8月21日に、山田部長に叱られた。」件までは理解できたのですが、その後の話が分かりませんでした。そこからの続きをもう一度教えてもらえませんか。」
(2)興奮気味の相談者の話をもとに戻してあげて、時系列にそって話せるように誘導します。
(3)相談者の話を聞くことが大切ですが、相談者が時系列にそって話せるわけではありません。
 (相談者から見た)当時の出来事を聞くためには、軌道修正が必要です。

相談者が、本件と関係ない話をしたときには共通点を探しましょう。

(1)ときどき、相談者が本論と関係ない話を熱く語りだす場合があります。聞き手からすれば関係ない話に思えるかもしれません。しかし、相談者は「本件と関係がある」と思ったからこそ、話しているのです。
(2)「本件と、そのお話の共通点は〇〇ということなのでしょうか。」
(3)「なるほど、お父さんとの関係でも悩んでおられたのですね。そのこともあって、理不尽な要求に応じることに心理的な抵抗があるのですね。」「大人の対応ではないと気づきながらも、A部長の要求が理不尽だと感じると、どうしても応じれないのですね。」

相談者の考え方が正しいかについてコメントしてはなりません。

 相談者の考え方が正しいことを選定にして、「相談者がなぜ、怒っているのか」「相談者が〇〇できなかった理由」を聞いてみましょう。
 
×「提出書類を何か月も出さなかったのであれば、それは、山田部長も怒ると思います。」

〇「山田部長の立場からすれば、提出書類を2か月も出せなかったとすれば、それは焦ると思います。」「ところで、〇〇さん(相談者)が2か月も提出書類を出せなかったのは何か事業があるのではないですか。」
 「なるほど、〇〇の書類を無くしてしまったが、それを言い出せなかったのですね。」「そうだとすると、書類を出せなかった理由もあるわけですね。」

前にも同じようなことはなかったですか。

(1)相談者に問題がある場合は、以前にも同様の問題が起きている可能性があります。
(2)「以前は〇〇に務めてらっしゃったということなのですが、そのときにも同じようなことがありませんでしたか。」

相談者さんが、何かを変えれば、状況は変わりますか。

 「〇〇さん(相談者さん)が、何かを変えれば、状況は変わりますか。」と質問して、相談者さんに自分の問題点に気付いてもらいます。

一緒に考える

(1)もし、相談者さんに、自分の落ち度に気付いてもらえた場合には、そのことを前提に、今後の対応を相談することになります。
(2)例えば、相談者が上司との相性が悪いと考えているのであれば、パワハラにあたるかは別にして、職場の異動等も検討してよいでしょう。仮に、これを放置すればトラブルになります。パワハラ・セクハラの定義にこだわらない方がよいと思います。

参考

 今泉智樹「クライアントの信頼を深め 心を開かせる カウンセリングの技術」54頁以下

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