PLG(プロダクト主導ビジネス)を活用できる条件
2022/12/23
PLG(プロダクト主導ビジネス)
(1)PLGは、Product Led Growt(プロダクトレッドグロース)といいます。
(2)ここでは、プロダクト主導ビジネスと定義しておきます。
(3)一定の量・一定の機能について無料で使えるようにしておき、これを超えた機能・量を利用したいと考える際に、初めて料金を取る販売戦略です。
(4)無料で製品を配ることで、一気にユーザーを獲得することができます。
(5)もっとも、有料プランにアップグレードする必要がないような無料プランを作ってしまうと、無料プランにアップグレードしなくなってしまいます。逆に、ユーザーにとって価値があると思う機能を無料にしなければユーザーを獲得できません。バランスをとった設計が必要です。
市場の変化
1 広告コストが増えた
クラウドソフトの開発について参入障壁が下がった結果として、クラウドソフト同士の競争が激化し、広告コストが増えた。
2 顧客が自分で情報を集めるようになった
企業の説明や営業担当者の話を鵜吞みにすることなく、自ら情報を収集する顧客が増えた。
3 顧客が購入前に、無料で試せることを求めるようになった
顧客は購入する前に、商品を無料で利用することが当然だと考えるようになってきました。
4 PLG(プロダクト主導ビジネス)の重要性
このような市場の変化を受けて、PLG(プロダクト主導ビジネス)が有力な選択肢となってきました。
PLG(プロダクト主導ビジネス)が上手く機能する条件
PLG(プロダクト主導ビジネス)が上手く機能する条件は、以下のとおりです。
1 製品がシンプルであること
製品の操作が直感的であり、特別な訓練がなくても利用できることが必要です。
製品を利用すれば、その製品の価値が理解できることが必要です。
2 市場が大きいこと
フリープランだけで満足するユーザーも出てきます。利用ユーザーの一部だけが有料だとしても、利益を出せるほどの市場規模が大きいこと(利用ユーザーが多数いること)が必要です。
3 製品の差別化
他の協業他社と違って、質の高いサービスを低コストで利用できること(他社製品との違いが理解しやすいこと)が必要です。
4 競争が激しい市場であること
競争が激しい市場(レッドオーシャン)であれば、顧客はその種類の製品について知識を持っています。顧客は、特別な訓練がなくても製品を使いこなすことが期待できます。もっとも、新しい市場(ブルーオッシャン)であっても、 製品の操作が直感的であり、特別な訓練がなくても利用できる場合には、PLG(プロダクト主導ビジネス)が上手く機能します。
5 現場判断で導入できる製品であること
企業全体のシステムなど、製品の導入にトップの判断が必要な商品については、利用者の意見が反映されにい。この場合PLG(プロダクト主導ビジネス)は上手く機能しません。
6 高機能タイプの製品ではないこと
高機能タイプの製品は利用ユーザーが限られしまう。コストパフォーマンスのよい、一般用タイプの製品の方が、PLG(プロダクト主導ビジネス)と相性がよい。
PLG(プロダクト主導ビジネス)のメリット
1 素早いビジネス展開
製品そのものの存在によってユーザーを獲得させるので、スピーディーな顧客拡大、世界展開も容易になります。
2 従業員一人当たりの売り上げアップ
営業経費を削減できるので、従業員一人当たりの売り上げをアップできる。
3 製品第一主義
営業が商品を売るスキームであれば、どうしても営業部門の都合で動かざるをえなくなる。PLG(プロダクト主導ビジネス)では、売り上げを上げるには、製品をより良く改善するしかなく、製品の改善に集中できる。
参考
ウェス・ブッシュ「PLG プロダクト・レッド・グロース「セールスがプロダクトを売る時代」から「プロダクトでプロダクトを売る時代」へ」1頁~94頁
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