Q 精神疾患を理由に、不安定な勤務が続く従業員がいたらどうしたらよいですか。
2025/05/15 更新
不安定な勤務が続く従業員
遅刻、早退、欠勤が続いた従業員から、「精神疾患が理由で体調不良ではあるが、休職するほどではない。」「迷惑をかけるほどではないが、働ける日は働かせてほしい。」と言われたらどうしたよいのか。
就労不能とは
(1)現実論として、休みがちな従業員に仕事を任せても、その後のフォローが必要になれば、仕事を依頼することもできません。
(2)現場の話を聞いて、「戦力になるのか、ならないのか。」を聞いて、戦力にならないとすれば、受診命令、休職命令を出すことを検討します。
就業規則では、下記のとおり、「②遅刻、早退、欠勤が続くなど勤務が不安定なとき」という要件を設けたほうがよいでしょう。 第〇条 休職 従業員が下記の事由に該当する場合には、休職を命じることができる。 ① 業務外の傷病により連続1か月欠勤するとき ②遅刻、早退、欠勤が続くなど勤務が不安定なとき ③1か月を超えて欠勤するときことが明確になったとき 第〇条 休職期間 休職期間は、次のとおりとする。 勤続期間が5年以上10年未満 3か月 |
受診命令
(1)受診命令は従業員に対し、病院に行くことを命じることです。
(2)就労が可能だとしても配慮が必要であれば、その内容について意見書を、医師に記載してもらいましょう。
(3)仮に、従業員が受診を拒否すれば、会社としては、従業員の健康等の責任がとれないので、出社を禁じることになります。
私見にはなりますが、毎日の診察代は別にして、意見書の作成代金は、会社負担でよいでしょう。 |
診断書の提出命令
(1)従業員に診断書や意見書の提出を命じます。
(2)「就労可能か。就労可能だとして、軽作業への変更、時短等の対応が必要か。」「就労不能だとして、いつ頃から就労可能と予想されるか。」「会社も復職の準備もあるので、復職にあたって一般的に必要な会社側の配慮等」について医師から意見をもらいたいと伝えましょう。
休職命令
(1)集中できなくなればミスもします。大きな事故になるかもしれません。
(2)無理を続けることで本人の症状が悪化することがあります。
(3)もっとも、本人が「就労を希望する」のに休職命令を出すと、給与の支払いが問題となります。会社に責任があるかケースバイケースで給与の支払いの有無を判断することになります。
参考
ビジネスガイド2025年6月号6頁