Q 解雇を撤回したが、従業員が復職しなかった場合、会社はどの時点から賃金の支払い義務を免れるか。
2026/02/27 更新
解雇の無効
従業員を解雇したが、解雇が無効である場合、従業員の就労義務は、使用者の受領拒絶によって履行不能となったといえるか 労働者が労務提供の意思及び能力を有している限り解雇後の賃金を支払う義務を負う(民法536条2項本文)。
解雇の撤回
(1)使用者(企業)が一度、従業員を解雇したが、解雇を撤回した場合に、始業開始の条件の話し合いが出来ずに、就労できなくなった場合は、どのように取り扱うべきか。
(2)通常は、解雇によって、雇用契約上の信頼関係が相当程度損なわれている。本件解雇を撤回し復職を命じただけで直ちに受領拒絶状態が解消されたということはできない。
(3)使用者(企業)が復職に向けて積極的な働きかけをすることが必要であり、その後の交渉を考慮して、解雇撤回後の就労できなくなった期間の賃金支払い義務の有無が決まります。
東京高判令和6年12月24日 判例タイムズ1540号77頁
(1)従業員を解雇したが、解雇が無効である場合、解雇後の賃金を支払う義務を負います。
(2)しかし、会社は解雇を撤回しました。撤回後に、従業員が復職後の労働条件について質問し、会社が説明したが、その後の、従業員が復職についての交渉を行わず就労しませんでした。
(3)この場合、会社が就労条件等を説明し、その後、従業員から回答がなかったことから、就労の意思を確認する旨の通知を送ったその後については、会社は賃金を支払う義務を負わない、とされました。






