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労使紛争

判例(ほぼ2年目以降は正社員となることが出来ると説明を受けて、1年の有期雇用の内定通知書に署名した場合、その1年の雇用期間の性格は、有期雇用ではなく、試用期間である。)

2026/04/17 更新

東京高判令和7年4月10日

1 事案

(1)Xは人材紹介会社を通じて、Yに入社した。

(2)Xは、雇用期間を1年間とする内定通知書(兼子湯尾条件通知書)に署名した。

(3)Xは正社員での求人を探しており、人材紹介会社は、その旨をYに伝えた。

(4)Xは、Y(の担当者)に対し有期雇用となっている理由について、説明を求め、「ほぼ2年目以降は正社員となることが出来る。」と説明を受けてた。

(5)Yは、Xに対し、2年目も有期雇用であることを前提に契約の更新を求め、Xは約束と違うと拒否した。

2 判決

 ほぼ2年目以降は正社員となることが出来ると説明を受けて、1年の有期雇用の内定通知書に署名した場合、その1年の雇用期間の性格は、有期雇用ではなく、試用期間である。

東京地判令和6年9月26日 

東京高判令和7年4月10日

解説

(1)試用期間の満了は有期雇用の雇用契約の満了とは異なります。期間満了だけを理由にして雇用契約を終了させることはできません。試用期間の満了を理由とする雇用契約の終了は一種の解雇です。普通解雇と比べると要件が緩和されると言われているが、合理的理由が必要となります。また、解雇ですので、解雇予告手当の支払い義務も問題となります。

(2)神戸弘陵学園事件(最判平成 2 年 6 月 5 日民集44巻4号668頁)は、 新規採用においてその適性を評価するための期間として期限付の雇用契約を締結した場合には、その期間は契約の存続期間ではなく、試用期間であるとした判例です。なお、同事件については、「有期契約」の事案であるのか曖昧な事案であり、特殊性があるとの指摘もあります。

(3)契約書上、1年間の有期契約となっていたとしても、「ほぼ2年目以降は正社員となることが出来ると説明を受けて、1年の有期雇用の内定通知書に署名した場合、その1年の雇用期間の性格は、有期雇用ではなく、試用期間である。」というは、従前の判例の考え方からすれば当然の結果といえます。

参考

 ビジネスガイド2026年5月号969頁

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