判例 九州女子大学事件(最判平成 28 年 12 月 1 日)
2026/06/21 更新
九州女子大学事件(最判平成 28 年 12 月 1 日 裁判集民 254号21頁)
事案
(1)平成23年4月、短大の大学教員について、雇用期間を1年間とする雇用契約書(職員契約書)が締結された。
(2)平成24年3月、平成25年3月、平成26年3月と、3回の雇止めの通知が行われた。
(3)大学教員は、平成24年11月に、雇止めの無効の訴えを提起している。
判決
以下の事情のもとで、平成26年3月末日で、雇用期間は終了すると判断されました。
| 詳しい事情 (1)大学の契約職員規定において、契約期間の更新限度が3年とされ、それを超えて延長できるのは大学が認めたときだけという規定があった。 (2)大学の教員では、流動性がある。つまりは、大学の教員は短期間で別の大学に異動する者も多い。 (3)大学では、3年の期間満了後に労働契約が期間の定めのないものとならなかった契約職員が複数いた。 |
解説
(1)試用期間の満了は有期雇用の雇用契約の満了とは異なります。期間満了だけを理由にして雇用契約を終了させることはできません。試用期間の満了を理由とする雇用契約の終了は一種の解雇です。普通解雇と比べると要件が緩和されると言われているが、合理的理由が必要となります。また、解雇ですので、解雇予告手当の支払い義務も問題となります。
(2)九州女子短大事件(最判平成28年12月1日)では、1年の有期雇用を締結し、規定には更新限度を3年とする旨の定めがある事案で、3年での雇い止めが有効とされました。
「大学の契約職員規定において、契約期間の更新限度が3年とされ、それを超えて延長できるのは大学が認めたときだけ」という規定があったことや、3年を超えて雇用契約が係属するという期待を頂く事情が無かったことから、3年の期間が有期雇用と判断されたことになります。
(3)契約前に雇用期間を説明しておくことや、期間満了後に契約が終了となる社員がいるかどうかが重視されることを示しています。
参考
ビジネスガイド2024年3月号105頁
ビジネスガイド2026年7月号84頁以下






