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刑事弁護の流れ

【基礎知識】控訴審の公判期日の流れ

2024/01/05 更新

刑事事件の期日の流れ

(1)控訴審は、以下のように進行する。

 控訴趣意書の提出期日までに控訴理由書を提出する。

  ↓

 事実取調請求書・弁号証の提出

  ↓

 第一回期日

  (第一回期日で、結審となるのが通常である。)

  ↓

 判決期日

(2)控訴審では、否認事件でも、第一回期日で結審となり、次回期日に判決で終了する。

第一回期日の流れ

(1)人定質問(規則196条)

 裁判官が、被告人に対して、「本籍と住所が言えますか」と聞きます。

 ※ 被告人が本籍と住所を暗記しているのか、打ち合わせで確認してください。

(2)黙秘権等の告知(291条3項、規則197条)

 裁判官が、「言いたくないことは言わなくてよいという権利があります。しかし、法廷で話したことは、有利不利を問わず証拠になります。」と説明します。

(3)控訴趣旨書に基づく弁論(刑訴法389)

 裁判官が「控訴の趣意は控訴趣意書記載のとおりでよいですか」と聞いて、弁護人が「はい。」と答えることで終わることが多い。

※ 裁判所から、「事実誤認と書かれているが、量刑不当という趣旨でよいですか。」と釈明されることがある。裁判所としては弁護人の主張を、適切な控訴理由に誘導していることが多いので、弁護人としてはそのまま誘導に乗るべきであろう。

(4)検察官の答弁

 検察官が答弁書を提出することはまれてであり、口頭で「本件控訴に理由がなく、棄却されるべきと思慮します。」と答弁することが多い。

(5)事実の取調べ(書証、証人請求)

 示談書等の書証、5分程度の情状証人の取調べ(第一審判決後の事情)等の簡単な取調べのみが認められることが多い。

控訴審と事実取調べ
(1)控訴審は事後審です。第一審の判決の誤りの有無を判断する手続です。
(2)事後審理であることを強調すれば、新証拠の提出は認められないことになります。つまり、第一審の証拠関係に基づいて、刑事訴訟法が定めた控訴理由(第一審の誤り)の有無を審理すればよくなります。
(3)しかし、控訴裁判所は、控訴趣意書に記載された控訴理由の有無について調査する義務があります(刑事訴訟法382条)。控訴裁判所は、そのために、必要があれば事実の取り調べができます(刑事訴訟法383条)。
(4)一審で請求できなかったことにやむを得ない事由が存在する証拠について、量定の不当又は判決に影響を及ぼすべき事実の誤認を証明するために欠くことのできない場合には、これを取り調べることが義務になります(刑刑事訴訟法393条1項但書)。
(5)第一審の判決後の情状については、刑事訴訟法383条2項で取り調べができることを明記しています。

(6)事実取調べ(被告人質問)

 罪を認めて減刑を主張している場合には、第一審判決確定後の情状に限って5分程度、被告人質問が認められることが多い。

 罪を争っている場合には、被告人質問は認められないことが多い。

(7)事実取調後の弁論(刑訴法393条4項)

 弁論の機会があるかは、裁判所の裁量です。情状等の簡単な事案で省略されることが多いです。

 特に希望する場合でなければ、弁論について別に書類を準備する必要はない。

(8)期日の終了

(1)以上で、口頭弁論期日は終結します。

(2)控訴審では、否認事件でも、第一回期日で結審となり、次回期日に判決で終了する。

次回期日・判決期日

(1)決期日は、判決の言い渡しを受けるだけです。

 5分程度で終わります。

 ※上告する予定であるかは、先に被告人と相談しておくべきです。

控訴審判決の言い渡しと保釈

(1)第一審では保釈されている被告人に対して実刑判決が言い渡されるとその直後に収監されます。

(2)しかし、控訴審において保釈されている被告人に対し実刑判決が言い渡されても、一度は自宅に帰れます。判決言渡しから5日後ぐらいに「出頭せよ」と文書が来ます。

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