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刑事弁護の流れ

Q 刑事事件で、証人が取調べ調書と、矛盾した証言をした場合、どうすべきか手順を教えて下さい。(矛盾していることを認めなかった場合)

2026/06/07 更新

自己矛盾供述

(1)証人が「A」と証言したが、取調べ調書には「B」と記載されていた。「取調べ調書作成時には、Bと供述していたのではないか。」と質問したところ証人は「いいえ。Aと供述した。」と答えました。この場合には、自己矛盾供述でです。

(2)弁護士会の見解では、「証人の証言が供述録取書と矛盾するとき(自己矛盾供述である)ときには、刑訴法規則199条の10に規定する物として示すものであるから、該当する裁判所に許可を得なくても、弁護人は証人に対し、供述録取書の「自己矛盾供述供」部分を示すことが許される(刑事訴訟法規則199条の10)。」と考えます。

刑事訴訟法第199条の10 書面又は物の提示
1項 訴訟関係人は、書面又は物に関しその成立、同一性その他これに準ずる事項について証人を尋問する場合において必要があるときは、その書面又は物を示すことができる。
2項 前項の書面又は物が証拠調を終つたものでないときは、あらかじめ、相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。ただし、相手方に異議がないときは、この限りでない。

実際の尋問の様子

弁護人 
 主尋問ではBと供述しましたが、本当はAなのではないですか。

証人  
  いいえ。Aです。  

弁護人 
 証人は、〇月〇日に警察署で調書を作成されています。そのときにはBと供述していますよね。」  

証人  
 いいえ。Aです。   

弁護人 
 自己矛盾供述であることを指摘するため、調書を示します。  

裁判官 
 弁護人。刑事事件ですので、いきなり調書を示すことはできません。
 記憶を喚起させべく、質問を工夫して下さい。  

弁護人 
 自己矛盾供述として供述録取書を示すことは、そのような記載があることで証言の信用性を弾劾するもので「物」としての利用です。 規則199条の10条により、物として証人に示す場合には、裁判所の許可は不要です。  

裁判官 
 それは弁護士会の解釈にあたりますよね。  

弁護人 
  分かりました。質問の仕方を変えます。        

弁護人 
 〇月〇日に警察官と面談して調書を作成してもらったときにBと供述していませんか。  

証人  
 たぶんAと供述したと思います。  

弁護士 
 Aではなく、Bと警察官に説明して、その内容の供述調書を作ってもらった記憶はありませんか。
 思い出して下さい。  

証人  
 やはり、警察官にはAと説明したと思います。

弁護人 
 供述調書にはBであるとの記載があります。
 記憶喚起の必要性があります。記憶喚起のために甲2号証を示しますがよろしいでしょうか。  

裁判官    
 検察官、ご意見は

検察官
 しかるべく

裁判官
 許可します。

弁護人
 甲〇号を示します。  

弁護人 
 3頁の下に、証人の署名がありますよね。  

証人  
 はい。  

弁護人 
 1頁には、〇月〇日と記載されています。
 つまり、これは、〇月〇日、警察官が証人の話を聞いて調書を作成した警察官調書です。

弁護人

 3頁目から、証人が被害に遭った事実が記載されています。

 私が該当箇所を読み上げます。私が調書を読み上げますが、間違っていないか、確認してくださいね。

 (省略します。)

弁護人

 「〇月〇日の調書では、B」と書かれていますね。

証人

 はい。

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