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刑事弁護の流れ

Q 刑事事件の尋問で、同一性の確認として、証拠等を見せるにはどのような手順を守る必要がありますか。

2026/06/05 更新

同一性について尋問するための証拠の提示

(1)同一性を確認するために書面等を提示するには裁判所の許可は必要ない(刑事訴訟法規則199条の10の1項)。

(2)なお、提示する書面等について、事前に検察官に示していることが必要である(刑事訴訟法規則199条の10の2項)。

刑事訴訟法第199条の10 書面又は物の提示
1項 訴訟関係人は、書面又は物に関しその成立、同一性その他これに準ずる事項について証人を尋問する場合において必要があるときは、その書面又は物を示すことができる。
2項 前項の書面又は物が証拠調を終つたものでないときは、あらかじめ、相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。ただし、相手方に異議がないときは、この限りでない。

実際の尋問

弁護人 

 Aさんが見つけた包丁はどんな形状でしたか。

証人  

 〇〇です。

ポイント
 この時点で、証拠の写真を示すことは許されていません。刑事訴訟法規則で許されているのは、証言で供述された包丁と、写真の同一性を確認であるからです。

弁護人 

 Aさんが見つけた包丁の柄はどんな素材で作成されていましたか。

証人  

 木製でした。  

弁護人 

 Aさんが見つけた包丁は新しいものですか、古そうなものでしかたか。

証人  

 汚れていて、何年か使っているものだと思いました。       (

弁護人 

 Aさんが見た包丁と、甲3号の包丁の同一性を確認するために、甲3号証の包丁を示します。

 なお、甲3号証は検察官請求証拠であり、検察官への提示は問題となりません。  

裁判官

 甲3の3頁目の包丁の写真を同一性の確認ということで示されるということですね。

弁護士

 はい。

裁判官

 許可します。

弁護士

 Aさんが見た包丁は、甲3号の包丁と同一ですか。    

証人  

 はい。   

弁護人 

 なぜ、そのように言い切れるのですか。  

証人  

 取っ手が木製で、古びた感じも覚えています。

証拠の提示の問題点

(1)本件では、記憶に基づいて証言させる工夫がされている。

(2)先に、証拠(写真)を示してしまうと、証人が過去の事実を思い出すタイミングを失い、記憶を汚染する可能性もあります。

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